【ダブルブラッシング法とは】
あまり聞きなれない方々も多いかと思います。
今回は日常的に虫歯予防としてフッ素を取り込む為の効果的方法として、ダブルブラッシング法というものをご紹介します!
方法は簡単。
【1度目の歯ブラシはフッ素配合歯磨き粉で歯磨きを行い、その後しっかりうがいをしてもOK】
【2度目の歯ブラシはフッ素配合ジェルを歯ブラシにつけて、歯に塗り込む。もしくは、最後にフッ素配合洗口剤でうがい】
◇効果的にするための注意点◇
①フッ素を口腔内に行き渡らせ、浸透させるために、歯磨き中の途中に吐き出してしまうのはできるだけ少なめに。
②しっかり浸透させるため、フッ素塗布後の2時間以内の飲食を避けるのが理想。(朝食時などは適宜に合わせる)
③毎日の継続使用。
④歯磨き粉のフッ素濃度は1000ppm程度が適している。うがいができない乳幼児は家庭で使用できる500ppm以内のものがおすすめ。
フッ素配合ジェルや洗口剤の味は個人差もありますが、決して悪くはないので歯磨き後の爽快感も十分に得ることができます。
【フッ素配合歯磨き粉の効果的使用方法】
①歯ブラシに年齢に応じた量の歯磨き粉をつけて使用する。(下記の応用量表をご覧ください)
②磨く前に歯磨き粉を一回お口の中の歯全体に広げる。
③約2~3分間、歯磨き粉を泡立たせるよう(発泡させ過ぎに注意して)歯を磨く。
④うがいは約5~15mlの水で、浸透率を高める為、なるべく一回のみ行う。
◇フッ素配合歯磨き粉の年齢別応用量◇
今迄は、うがいが出来るようになった4歳頃から歯磨き粉を使用すれば良いと言われていました。
しかし、現在は歯磨き粉の中に含まれるフッ素濃度をコントロールすれば良いという考えから、現在は生後6ヶ月の状態から歯磨き粉を使用することが学術的にも提唱されています。
ただ、2歳以下のお子さんが飲み込んでしまう可能性が高くなる問題もありますので、
まずは歯磨き粉のフッ素濃度は500ppmから使い始める。、
うがいができるようになってから(前述通り約4歳位)フッ素濃度1000ppmの歯磨き粉を使用してみてください。
フッ素は歯のエナメル質表面に浸透すると、歯を丈夫にしてくれます。
日本で発売されている歯磨き粉の90%以上にはフッ素が含まれています。
そのため、しっかりとした知識を持って、フッ素濃度を意識して使い分ける(購入する)のが虫歯予防には大切です。
~中にはフッ素を過剰に怖がる方へ~
WHOはフッ素を必須栄養素の一つとして認めております。
必須ということは、適切な量を日々摂取しなくてはいけません。いわば、たんぱく質、脂質、炭水化物のようなものです。
しかし、残念ながら日本では各国に比べるとフッ素はカルシウムと同じで、まだまだ摂取量が足りないと言われています。
アメリカ、 カナダ、オーストラアなど諸外国では水道水にフッ素が配合されていて、国家レベルでの対策が取られています。
シンガポールや香港の水道に至っては100%の普及率だそうです。
◇日常的にできる効果的なフッ素の摂取の仕方◇
紅茶やウーロン茶にはフッ素が多く含まれているため、虫歯予防に効果的です。(注※但し茶渋がついてしますリスクはあります。)
土や海水にもフッ素は存在しているので、新鮮なお野菜や魚介類を食べることも、効果的といえるでしょう。
もちろん虫歯予防には、虫歯菌の栄養となってしまう砂糖の摂取をなるべくしないことが基本となるポイントです。
①毎食後にフッ素入り歯磨き粉を使用して歯磨き
②砂糖を使用した甘いお菓子やジュースのかわりに果物を食べたり、お茶を飲むようにする
この2点を意識して頂ければと思います。
~まとめ~
1985年時点ではフッ素入り歯磨き粉の割合は10%でした。
現在はと言うと、発売されている歯磨き粉の90%がフッ素含有のものとなっています。
10年以上前まで歯磨き粉はあくまでも《歯磨きの補助剤》という位置付けでした。
今では《未成熟な歯に対しての積極的な予防剤》という考えになっています。
日本における歯磨き習慣の定着率は95%ですが、残念ながらまだまだ正しい予防は浸透しているとは言えないでしょう。
日本では虫歯はまだまだ多いのが現状です。歯磨き粉の効果的な使い方が浸透していないのもその理由の一端だと思われます。
しおばら歯科医院ではお子様の検診、クリーニングの仕上げに年齢に合わせた口腔内の成熟度により、クリニック仕様の高濃度の9000ppmのフッ素を塗布をしています。
クリニックでのメンテナンスももちろん重要です。しかし、毎日少量のフッ素を取り入れていただくとより効果がありますので、ぜひ積極的に使用してみて下さい。
「歯が浮く感じがする・・・。」その原因は!?
何だか他の歯に比べて、一本だけ歯が浮き上がっている?感覚がある。
鏡を見ても特に変化は見られない。
もしかしたら大きな病気の前兆かもしれません。
今回のテーマでは歯が浮く原因を紹介し、それぞれへの対処法をお伝えしています。
~歯が浮く原因は!?これだけは知っておきましょう!~
「激しい痛みはない、だけど歯が浮いている感じがする・・・、これって何!?」
「激しい痛みはないけど歯が浮いた感じがあります。いったい、この歯が浮くとはどういった状態で、何が原因なのでしょうか?」
こんな患者様からのご意見をよく耳にします。
まず、歯は顎の骨に埋まっています。その顎の骨と歯は直接くっついているわけではないのです。
「歯根膜(しこんまく)」と呼ばれる薄い繊維状組織によって繋がっているのです。
この歯根膜(しこんまく)の役割はいわばクッションの役割です、噛んだ時の骨に与える衝撃を和らげるために存在します。
また噛んだ時の繊細な感覚や刺激を脳に伝えているセンサーの役割もあるのです。
歯が浮くという状態は、この歯根膜が何らかの刺激やダメージを受けていると考えられます。
血行障害が起こっているために現れる症状なのです。
これは身近なところで例えると、肩こりと同じような状態です。
~「歯が浮く」症状の主な原因そして対処方法~
◇歯が浮く症状に考えられる主な原因7つ◇
①ストレスや疲労
②歯ぎしり
③食いしばり
④歯周病
⑤神経を取る処置を行った術後
⑥歯の根っこの先端に膿が溜まっている
⑦固いものを噛みすぎによる歯への過荷重
では、それぞれについてご説明します。
~ストレスや疲労~
ストレスや疲れで身体は体液の流れが悪くなります。
それは血液やリンパ液の流れが悪くすることで、頭痛や肩こりが起こったり、倦怠感がでたりします。
その一つに歯が浮く症状も、前述した歯根膜の血行不良によって起こるのです。
また風邪を引いたり体力低下が見られるときに抵抗力・免疫力が落ち、歯が浮いた感じになることがあります。
ストレスや疲労の場合も、血行不良を起こすだけでなく、体の抵抗力も低下させることがあります。
対処方法:休養が大切
こういったことを防ぐためには、まず第一にストレスを解消し、疲労をとることが大事です。
もちろん虫歯や歯周病の疑いがあるなら、早めに治療することをおすすめします。
まず無理せず、十分に休養とるようにしましょう。
血行不良により歯が浮いたときは、セルフケアとしてはブラッシングをしっかりとして歯肉マッサージを行い、血流を良くすることで症状が治まってきます。
また運動したり、歩いたりして体全体の血流を良くすることも効果的です。
~歯ぎしり~
歯が浮く原因の1つとして、歯ぎしりが挙げられます。
歯ぎしりをすると、過剰な力によって歯は左右に大きく揺さぶり、荷重を大きくかける事になります。
その時に歯根膜が引っ張られたり、のばされたり、負荷がかかりすぎてうっ血してしまい、それで歯が浮く感じがするのです。
歯ぎしりの3タイプ
①~グランディング~
上下の歯をギリギリこすりあわせるもの。(臼磨行動といいます)一般的な歯ぎしりと呼ばれています。
②~クレンチング~
歯ぎしりではなく、音をたてずに歯をくいしばり、かみしめる力が過剰にかかる行動。
③~タッピング~
咬んだ歯をそのままこすり合わせず、上下の歯をカチカチと合わせる行動。
これらの3種類を総称して「ブラキシズム」といいます。
歯ぎしりは無意識に行っていることが症状として多く出ます、特に寝ている間(不随意運動と言います)に見られます。
本人も気づかれずに行っている場合もあるので、長期間にわたって歯ぎしりをしている事があります。
また実際は寝ている時だけでなく、起きている時にも無意識下で歯ぎしりを行っていることがあります。なので気を付けなければいけません。
【原因】
歯ぎしりの原因はまだはっきりと限定できるものはわかってはいないのです。多くはストレスによるものとは言われています。
また睡眠の質にも関連がありますが、その不随意運動の中、深い眠りの時は筋肉動作が抑制されるのですが、浅い眠りになると、その抑制が解け、口腔内筋が通常より過剰に動き始めるため歯ぎしりが起こりやすいのです。
このストレスの他にも、飲酒、喫煙も眠りを浅くすると言われています。
また睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎なども眠りが浅くなります、そのため歯ぎしりをしやすくなると言われています。
【症状】
歯ぎしりは、歯に対し過剰な荷重で、動かしてしまうだけでなく、顎や頭の筋肉も酷使します。
そのため歯が浮くだけでなく、肩こり、顎の痛みなどさまざまな症状があらわれます。
また、顎関節症や歯周病を悪化させる危険性もあるのです。
歯ぎしりを毎日繰り返していると起こりやすい症状が
※奥歯の咬み合わせ部分にあるでこぼこがすり減る、
※歯自体が割れてしまう
※歯自体が折れてしまう
※治療後の差し歯や詰め物も破損、もしくは外れたりする
こういった症状を未然に防ぐため、歯科医院でチェックしてもらう事が大切です。
【治療法】
まず、歯ぎしりに対しての治療法として挙げられるのがマウスピースです。
夜寝る時にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着し、歯にかかる荷重負担を軽減させます。
歯ぎしりの原因はストレスである場合が多く、ストレスを軽減させる事も大切です。心と体をリラックスさせましょう。
【全身疾患との関係性も否めない】
逆流性食道炎や、全身疾患による歯ぎしりも考えられます。
たかが歯ぎしりと思わずに、しっかりと診察を受け、対処していくことが大事なのです。
~食いしばり~
通常、口を閉じている状態で上下の歯は触れ合っていません。
ところが状況により気づかないうちに力が入り、食いしばっていることなどがあります。
この時、強い力で歯と歯が接触しつづけ、歯根膜にダメージを与えてしまい、歯が浮く感覚になるのです。
例えば、
パソコンなどを集中して使用している時
運転中
通勤時電車に乗っている時
スポーツをしている時
ゲームなど趣味に没頭している時、などなど・・・・。
またこれらはストレスによっても起こる事もあり、知らずに食いしばっていることがあります。
そして食いしばることで、より一層筋肉が緊張し、頭痛、肩こりなどを引き起こしてしまいます。
【対処法】
まず、無意識に食いしばってしまっている事に気が付くのが大事です。
知らないうちに食いしばっていることが多く、意識的にリラックスさせる事が大切です。
その時は、頬を緩め、奥歯を離し、眉と眉の間を離すよう意識してみてください。自然と緩んだ状態になります。
症状が強い場合は、歯科医院でマウスピースを作成し負担を軽減させる必要があります。
関連記事:スポーツ用マウスピースの重要性とその効果
~歯周病~
歯周病とは簡単に言えば口腔内の細菌感染症です。
歯みがきがきちんとできていない状態で、知らずに放っておくと歯周病菌が歯ぐきと歯の間から入り込みます。
すると、歯ぐきに炎症を起こします。歯肉炎から歯周病へと悪化し、この炎症のために歯が浮いたような感じがするのです。
特に疲労が蓄積しているときは、体の抵抗力免疫力が落ち、浮いている感じが出やすくなります。
【治療法】
①プラークコントロールの徹底
歯周病の治療の基本は歯磨き、そして歯科医院での定期検診によるプラークコントロールです。
細菌のかたまりの歯垢(プラーク)をいかにしっかり除去し、付着させないかがポイントとなります。
しかしやはり個人差があり、歯みがきをしているにもかかわらず、磨き残している場合があります。
どの部分が磨き残しやすいのか、どうやったらきれいに磨けるか。
その人によってポイントが違いますので、そこで歯科医院での定期検診チェックが必要なのです。
②歯石除去
プラークコントロールができてくると、歯ぐきが締まります。
この状態からようやく歯石を取ることができます。歯根部分(歯の根っこの部分)まで歯石が付いている場合も、その表面がしっかりきれいにになるまで歯石除去をすることが大事です。
歯石も細菌の凝集体です。そこから更に細菌が入り込み毒素を出し続けますので、きれいに取り除くことが必要なのです。
~神経を取った治療の後~
虫歯が進行してしまい、それが神経まで炎症が及んだ場合、その神経を取らなければいけなくなります。
歯はその神経をとると、その刺激により歯根膜に血液やリンパ液が集まり、悪い状態を回復させようとします。
そのため歯根膜は厚くなり、歯が浮く感じがするのです。
【神経をとってから、歯が浮くような状態が長引くようであれば注意が必要】
通常、神経を取った歯が浮く状態は細菌によるものではなく、また一過性のものが多く、2~3日、長くても1週間くらいで治まります。
もし歯が浮く状態が長引いたり、痛みが出ている場合は、他の原因が考えられます。
その場合、歯科医院にて検査をしてもらい、しっかりと原因をつきとめることが必要です。
~根っこ先端に膿がたまっている~
虫歯を放っておくと歯の内部(根管内)まで感染します。すると神経は死んでしまう事があります。
また既に神経を取って、根っこの治療が終わっている歯でも、様々な原因で再感染することがあります。
この時、根っこの先に膿の袋ができる場合があります。これを歯根嚢胞と言います。
◇膿の圧力で歯が押し上げられる◇
歯が浮く感じがするのは、膿が袋の中溜まり、圧が高まり歯を押し上げようとするためです。
この膿の袋を歯根嚢胞(しこんのうほう)といいます。
歯根嚢胞は急速に発達しません。
何年も放置する事により大きくなってしまい、治療しづらい状態になることもあります。
◇体力が落ちて免疫力が低下している時は感染が一気に加速する◇
普通は痛みがないことが多く、しかし、疲労や風邪、体の抵抗力や免疫力が落ちている場合、感染が一気に加速します。
この時の痛みは非常に激しい痛みを伴います。ですから、こういった事を避けるため、たとえ痛みが無くても、早期治療を行う事が必要なのです。
【治療法】
①根管治療
根っこの中の治療のことです。
歯根嚢胞が比較的、小さい時に行います。
歯やかぶせ物、詰め物などを削り、歯の根っこの中から膿を出します。
痛み、炎症などが治まった時点で、根っこの中をきれいにし、無菌状態で充填します。
そして、再度かぶせ物や詰め物を入れるのです。
②歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)
歯根嚢胞を直接取り除く治療です。
嚢胞が大きくなってしまって、根管治療が難しいと判断された場合や根管治療だけでは炎症が治まらない時に行われます。
麻酔をし、歯ぐきを切って、骨を削り、歯根嚢胞を外科手術にて取り除きます。
この時、原因となった根っこの先端部分を除去する事も必要になります。
細菌が入らない様にし、切り開いた歯ぐきを縫合します。
嚢胞自体を取り除くので、再発の可能性は低いです。
しかし、どうしても治療ができない場合、歯を残すのが難しい状態の場合は抜歯になりますので、早めに歯科医院で検査を受けましょう。
~固いものを噛みすぎてしまった場合~
固いものや同じものを食べ続けると歯が浮いた感じがしてきます。
これは歯に圧力が加わり続けたことで、歯根膜がリラックスできない状況が続き、ダメージを受けた状態になってしまうことが原因です。
◇ダメージを回復させるために、体液が集まってくる◇
身体も同じですが、ダメージを受けると回復させるために歯根膜に血液やリンパ液が集まってきます。
それが理由で歯根膜は厚みを増し、歯が浮いた感じがするのです。
固いものを食べ、歯やあごを使いすぎて酷使し過ぎたと思ったら、安静にしておくことが大事です。
歯が浮く症状が長引いたり、痛みが強く出たりしたら、他の原因が考えられます。早期に診察を受けましょう。
~まとめ~
歯が浮く原因はこの7つをまずは抑えておけば安心です。
違和感が長続きする場合は、何か他の原因が考えられますので、まずは歯科医院で相談してみてください。
今回のテーマはお役に立つものでしたでしょうか?
しおばら歯科医院は、また随時アナタのお口の健康に役立つ歯科情報をお届けしていきます。
長い文章を最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!
~虫歯が無いのに歯が痛い!三叉神経痛、その原因と治療 ~
虫歯ではないのに歯が痛い・・・。
そんな不思議な症状に悩む方々はいませんでしょうか。
色々な歯医者に行っても原因がわからない。
もしかすると、それは「三叉神経痛」による症状が原因かもしれません。
この言葉は、中々聞き覚えのない方もいらっしゃるかと思います。
実はこの症状、「三叉神経」という神経の位置が関係する事により歯に大きな影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
そのため虫歯がないのに歯に疼痛を感じる。この「三叉神経痛」の疑いも出てくることがあります。
よって今回は、歯科治療に関わりの大きい「三叉神経痛」についてです。
この「三叉神経」というものについてご紹介したいと思います。
~三叉神経痛~
虫歯は無いのに歯が痛い場合、
○歯ぎしり、食いしばりにより歯に大きすぎる荷重がかかっている
○知覚過敏
など様々な原因が考えられます。
しかし「三叉神経痛」は、これらの症状とは痛みや特徴が大きく異なり、原因も別のところにあります。
また
○虫歯
○歯周病
○歯の負担
○知覚過敏
といったあらゆる疑いが除外されるようなケースは「三叉神経痛」による歯の痛みという診断にたどり着くケースがあります。
ではこの「三叉神経痛」とは具体的にどういった症状なのでしょうか。
①「三叉神経」とは
まず「三叉神経」というものはどのような神経なのかをご紹介します。
「三叉神経」は、脳から顔に下りてくるようにして波及するとても重要な神経であり、顔の左右側頭部(顔の横側)にそれぞれ存在します。
その神経が司るものは痛覚、触覚、冷覚・温覚、などの「知覚」全てであり、顔に痛みを感じたり、皮膚に触った時の感触や冷たさ、温かさなどを感じたりする器官なのです。
つまり顔の皮膚で感じ取るものすべては「三叉神経」の働きで感じているものです。
また「三叉神経」の末端が口の周囲、下顎まで波及しいることから、舌や口を動かすことができるのは、脳からの指示が「三叉神経」を伝達して行われているためと言われています。
よって口を動かして食べ物を咀嚼したり、舌を大きく動かしたりできるのも、「三叉神経」を通して脳から指示を送っているためなのです。
このように「三叉神経」は多くの神経系のなかでも顔の重要な器官を担っています。
②「三叉神経痛」の症状について
「三叉神経痛」とは前述通り、顔の中を通る「三叉神経」という神経が異常な痛みを生じる症状を指します。
その痛みの感じ方は特徴的なものであり、痛みが何分も続いたり(持続性疼痛)、また疼いたり、何もしていないのに突然痛いと感じることなどはありません。
では、どのような痛みなのでしょう?
三叉神経痛は歯を動かしたり、冷たい物を食べたりすると一瞬、強い痛みが走り疼痛が数秒間続いたりします。
この他も顔のどこかしらに触れることで、痛みが走ることがある。
顔を洗ったり鼻をかんだりすると電気が発したようなビリビリする痛みを感じる。
などが特徴的な症状です。
このように口の周囲を触ったり、歯を動かしたりすることで痛みが出るため、「三叉神経痛」を歯痛と誤認してしまう方がとても多いのです。
③三叉神経痛と歯の痛みの違い
虫歯や歯周病といった歯自体の痛みの場合、ズキズキ、もしくはうずうずとした鈍い痛みが数分間、一定以上続きます。
また抜歯後の疼痛とも区別することができ、何もしていない状態でもズキズキ、あるいはうずくような痛みを感じる場合、抜歯をした傷口から出ている痛みと判断できます。
さらに抜歯した場所に何らかの処置をしたことで症状が落ち着けば、抜歯をしたところの傷口が痛いということを断定することが出来ます。
対して「三叉神経痛」の場合、瞬間的な強い痛みを感じそれが数秒程度続き、その後何もなかったかのように痛みは引いてしまいます。
しかし忘れた頃になると、何かの動作をしたことでふたたび強い痛みが走ります。
また季節などによって痛みが変化することもこの症状の特徴であり、ある日突然痛みが落ち着いたり、あるいは逆に痛みがひどくなったりします。
歯の痛みの場合、季節の変化によって痛みに変化はあまりなく、痛み止めでコントロールすることもできます。
「三叉神経痛」の場合でも痛み止めを服用するとある程度痛みの症状を緩和させることができます。ですが、薬が切れるとふたたび同じ症状が繰り返されます。
このように「三叉神経痛」にはそれとわかる特徴的な症状がいくつかあり、自分で痛みを観察して医師に説明し、早く診断をすることができます。
~歯科治療における三叉神経痛の診断および治療~
「三叉神経痛」は歯に原因があるわけではなく、脳の異常、もしくは血管、神経の状態に問題がある場合などに発症します。
そのため歯の治療をしても症状が変わらないことがほとんどであり、歯科では原因不明とされてしまい、その結果、抜歯することになってしまうことも多くなってしまいます。
しかしそれでも同じ症状が続くと、そこで歯による痛みではないと判断することができるため、「三叉神経痛」と区別するためには抜歯が必要になることもあるのです。
また最近は、インプラント治療を行ったあとに「三叉神経痛」が出るケースが多くなっているようです。
「三叉神経」の末端のひとつは下顎につながっているため、下顎にインプラントを入れたことで「三叉神経痛」が出てしまう可能性は否定できません。
しかしこの時、
インプラントに対する過剰な負荷
インプラント周囲の炎症(インプラント周囲炎)
などに対して、適切な処置をして症状が改善されれば「三叉神経痛」ではないと判断できます。
また先程前述したした「三叉神経痛特有の痛み」を観察することで、患者様自身で「三叉神経痛」の疑いがあることに気づくこともできるはずです。
そしてもし「三叉神経痛」の疑いが強い場合は、大学病院のように大きな病院に症状の相談するようにしましょう。
「三叉神経痛」はMRI検査が有効的であり、脳に異常がないか確認できるとともに、神経の状態も確認することができます。
それにより異常が発見されれば、「三叉神経痛」の原因を特定し確定診断に至ります。
また、ある薬を服用することで「三叉神経痛」と判断できる場合もあります。
それは「カルバマゼピン」という薬です。
てんかんの薬として処方されることがある内服薬です。
この薬は「三叉神経痛」にも有効であるため、これを服用して症状に変化があらわれれば「三叉神経痛」である可能性が高くなります。
このように歯科治療で根本的解決に至ることができない疼痛には、MRIがある大きな病院や原因不明の痛みに対処できる「ペインクリニック」などに相談するようにしましょう。
~悩まずに冷静に相談~
食べ物を噛んだり冷たい物を食べたりして歯が痛いと感じた場合、多くの方が虫歯といった歯の異常と思われることでしょう。
しかし歯医者では確定診断がされず、痛みも改善されぬままの状態でノイローゼになってしまう方は少なくありません。
しおばら歯科医院では、このような原因不明の痛みにお悩みの方の相談にも親切に応じてさせていただきます。
「三叉神経痛」は、その特徴的症状を見極めることがとても重要で、毎日続くその痛みに諦めてしまわずに冷静に症状を観察して医師、歯科医師に相談してください。
~歯が痛い時、歯医者に受診する前に歯の痛みを減らす方法、そして絶対してはいけない禁忌事項~
現在、まさに今、歯の痛みに悩まされている方々は多いのではないでしょうか。
歯の痛みは我慢できないほどの痛みです。
夜中の急な痛み、仕事中の痛み、すぐには歯医者に行けない場合も多いと思います。
また、原因不明の痛み、歯の治療をしたけれどその後の痛みが取れないなど様々に悩まれている方も多いと思います。
今回はまず、急な歯の痛みを和らげるため、とりあえず自分が行える応急処置と歯の痛みの種類についてお伝えします。
ぜひ、参考にしてください。
~急激な痛みのある時の応急処置~
①「ロキソニンS」など市販の痛み止めの服用
まずは市販の痛み止めを飲んでみてください。
歯の痛みは様々な痛みの中でも激烈なものです。
ですが、一応痛み止めで一時的に痛みを抑えることができます。
例えば第一三共ヘルスケアの「ロキソニンS」は歯科で出される痛み止めの成分とほぼ近いものです。
ただし、痛み止めは一時的に痛みを和らげるだけで根本療法ではありません。
虫歯菌がもっとひどくなる場合があるので、早めに歯医者で診てもらう必要があります。
②冷えピタで痛い歯を冷やす
これは特に急な痛みが出てきた直後に行うと有効的かもしれません。
冷えピタ等を張って頬側から冷やす、もしくは冷水や氷などを口に含み歯を直接冷やす、そうすると痛みが軽減します。
歯の痛みは、歯の中で血液が多くなり神経を圧迫し、内圧が高くなる事によって起こります。
冷やすことによって、血液の流れが遅くし一時的に内圧を和らげる事ができます。
③詰まっている食渣(食べカス)を取り除く
虫歯によって穴の開いた箇所に食渣(食べカス)や細菌が歯や歯の神経を圧迫して痛みが引き起こされることがあります。
歯や歯茎に食い込んでいる食渣(食べカス)は歯ブラシなどできれいにしてください。
そうすることによって痛みが軽減する事があります。
④正露丸を虫歯に詰める
虫歯の痛みの対処法としてよく聞く例だと思われます。
大幸薬品の正露丸の効能の中に、
【正露丸の主成分の日局木(もく)クレオソートが、歯の鎮痛鎮静や根管の消毒用として使用されているからです。この場合、正露丸は内服するのではなく、痛みのある虫歯に適量を詰めてお使いください。ただし、一時的な歯痛止めであって、虫歯そのものを治療する効果はありませんので、歯科医で適切な虫歯治療を行ってください。】
と記入されています。
⑤極力、軟らかいものを摂取する
歯に過大な荷重力が加わらないように軟らかいものを食べるようにしてください。
痛い歯には、あらゆる強い刺激が加わると、より疼痛が増します。
⑥夜間・休日救急センターを受診する
かかりつけの歯医者が開いていれば連絡してください。
また、夜間や休日にどうしても痛みが強い場合には、地域の夜間・休日救急センターを利用して下さい。
~歯が痛い時に絶対やってはいけない禁止事項~
①痛い歯をむやみにいじる
歯の周りの汚れや食渣を取ることはいいのですが、歯をあえて揺さぶったり、たたいたりしても痛みは治まりません。
急性症状期には刺激が加われば、痛みが強くなるだけなので、なるべく痛い歯は安静にしてください。
②飲酒
飲酒により、中枢神経系が一時麻痺し、痛みを暫間的に忘れることができますが、炎症部位の血液の循環が良くなるために、お酒から覚めたその後激烈な強い痛みに襲われます。
③熱い風呂への入浴、激しい運動
入浴、運動は血流を良くします、歯が痛いとき、それにより血圧が上がるようなことは避けて下さい。
血圧が上がると痛みがある歯の血液の循環が良くなり、そこに滞留し、血流で神経を圧迫し激痛を起こします。
また、体を温めると同様の機序で痛みが増します。
~歯の痛みの原因~
①冷たいものがしみる知覚過敏
冷たいものがしみるときは知覚過敏の可能性があります。
歯肉が退縮することにより根の表面の象牙質が露出し、冷たいものに対して敏感に反応する時があります。
知覚過敏用の歯磨き粉の使用やフッ素塗布を行って、象牙質表面の神経の細かい穴を封鎖していきます。
軽度なものは1,2カ月程度で改善することが多いです。
知覚過敏の詳細は以前のblog「知覚過敏?その原因と対処法」を参照にしてください。
②冷たいものと同時に甘いものがしみる
虫歯が深い所まで進行している可能性があります。
虫歯が表面のエナメル質から象牙質という層に入ってくると、象牙質は神経とつながる細かい管が走っているため、冷たいもの、甘いものなどの刺激を浸透し痛みを感じます。
この時点ではまだ一時的な痛みですぐに痛みは引きます。
治療もまだ神経を残せる可能性が高い状態です。
③熱いものがしみるとき
虫歯が神経の近くまで来ています。
虫歯が象牙質の深いところまで入ってくると温かいものがしみるようになります。
虫歯菌が神経に近いか、神経まで達しています。神経を残せるかぎりぎりのところです。
できるだけ早めに治療し、神経を残すような治療をしてみます。
④何もしていないのに起こる歯の激痛
虫歯が神経まで到達し、歯の中で神経が腫れて膨れ上がると歯に激痛がでます。
神経を取る処置が必要ですが、歯の中で血液があふれかえっているため麻酔が効きにくいので、
治療にも痛みを伴い困難になる場合がよく見られます。
⑤就寝時のズキズキする痛み
虫歯が歯の中の神経の一部を腐らせてしまうと、部分的に神経が残っているため体温が高まった時、痛みを感じる時があります。
虫歯菌が根っこの先から出てしまう前に、事前に根の中の消毒をする必要があります。
⑥咬合時の痛み
⑥-1.虫歯の痛み
虫歯菌が歯の周囲にある膜(歯根膜)まで入ると噛んだ時に疼痛を生じます。
この膜は噛んだ時に硬い、軟らかいなどを感知する膜です。
この膜に痛みが出始めると神経を取った後の根の治療をしても痛みが取れるのに時間がかかります。
⑥-2.歯周病が原因の痛み
歯周病が進行すると歯の周囲骨がやせてしまいます、周りの骨が歯を支えきれずに噛んだ時に痛みが出ます。
早期治療を行わないと、徐々に骨は溶けてしまう一方です。
そこから最終的に自然に抜けてしまうことがあります。
⑥-3.歯ぎしりが原因となるもの
歯ぎしりによって歯が揺さぶられて噛んだ時に痛みが出ます。
歯ぎしりは他にも歯をすり減らしたり、歯にひびが入ったりして歯の痛みの原因となります。
詳細は以前のblog「歯ぎしりのメカニズムとマウスピースの必要性」を参照にしてください。
⑥-4.歯が割れているもの
歯にひびが入ったり、割れていると噛んだ時に痛みが出ます。
部分的に割れている場合はかぶせ物で補うことができますが、根元まで割れていると抜歯する必要があります。
⑦歯茎が痛いとき
⑦-1.虫歯が原因となる歯茎の痛み
虫歯菌が進行し、根の先端から先に骨の中へ虫歯菌が入ると、膿を溜めて、大きく歯ぐきが腫れ、痛みがでます。
歯茎を切って膿を出す必要があります。また、自然に破れることもあり、何度も腫れを繰り返します。
神経をり、根管内の治療をしないと根本的な治療にはなりません。
⑦-2.歯周病が原因で起こる歯茎の痛み
歯周病(歯の周りから歯周病菌が根っこに向かい歯の周囲を侵す)によって歯茎の中に膿がたまり痛みが出ます。
大きく腫れる場合もあり、その場合は歯茎を切って膿を出す必要があります。
痛みは繰り返しますので早期の治療が必要です。
早期であればあるほど回復がはやいです。
⑦-3.食べカスによるもの
虫歯や歯が欠けたりすると、歯と歯の間に食べカスが詰まり歯茎を圧迫(食片圧入・しょくへんあつにゅう)して、痛みが出ます。
食べカスが詰まらないようにデンタルフロスや歯間ブラシを使って歯と歯の間の汚れをきれいにしておく必要があります。
⑦-4.親知らずによる歯茎の痛み
親知らずは横や斜めに生えていることが多く、細菌のすみかになり歯茎が腫れて、痛みが出ることが多い場所です。
必要であれば早期に抜歯をしたほうがいいでしょう。
詳しくは「∼親知らずが生えてきた∼治療?抜歯?」を参考にしてください。
~歯の治療後の痛み~
①虫歯治療の後に起こる疼痛
虫歯の治療後にしみる痛みが続くことがあります。
神経が過敏になっているためです。大体の場合2~3日で落ち着いてきます。
場合によっては長く続くこともありますが、強い痛みでなければ経過観察し、神経の処置はしないようにします。
②神経を残す保存治療をした後の疼痛
神経をギリギリ残す治療をすると、その後に痛みが出る場合があります。
これは神経の一部に細菌が侵入してしまっているからです。
一時的な痛みであれ鎮痛剤をのみ様子をみます。
痛みが続くようであれば、残念ながら神経を取り、根管治療をはじめます。
③神経を取った後(抜髄)の疼痛
神経を取った後に強い痛みが出てしまうことがあります。
この場合はよほどの場合でない限り、鎮痛剤を飲んでもらいます。
4,5日で治ることが多いのですが、人によっては治療の度に痛みが出てしまう方もいます。
何度も根の中を治療する根管治療を繰り返してしまうと、かえって痛みが続きますので、根の中がキレイであれば薬を詰めてもらい様子を見ます。
半年から1年くらい噛んだ時の痛みや、違和感が残る方がよく見られます。
④被せものをした後の疼痛
被せものをした後、咬合時に痛いと感じることがあります。
これは今まで強く噛めなかったために周囲骨が緩んできているためです。
噛む力を与えていくと周りの歯になじんで徐々に痛みはなくなってきます。
ただし、ひどく痛みが続くようであれば神経を取る処置をする事や、歯にひびが入っていたり割れていたりすれば抜歯を避けれない場合もあります。
~その他の歯が原因ではない痛み~
①上顎洞炎、副鼻腔炎で歯が痛い
鼻の病気から来る副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)で歯が痛くなることがあります。
副鼻腔は上の歯の奥歯の根に接しているため、そこから感染を引き起こし副鼻腔炎になると歯が痛くなることがあります。
鑑別診断を行って抗生物質で治ります。詳しくは「上顎洞炎とは?症状とその治療法」を参考にしてください。
②咀嚼筋(そしゃくきん)の痛みによる歯の疼痛
表情筋の中で、噛む力を発揮する筋肉を咀嚼筋(そしゃくきん)と言います。
この中で歯に近い咬筋(こうきん)や側頭部に広がる側頭筋(そくとうきん)の痛みから歯が痛くなることがあります。
筋肉の緊張をほぐすマッサージなどで改善を図ります。
③帯状疱疹(たいじょうほうしん)ウィルスからくる歯の疼痛
ウイルスが原因の急性の神経の炎症です。
虫歯の痛みと同じような強い痛みが出ます。
特徴的に顔面に決まったパターンでの痛みの出現の仕方をします。
歯に何の異常もなく、激痛が出た場合はこの病気を疑います。皮膚科との連携を要します。
④三叉(さんさ)神経痛での疼痛
顔の知覚感覚をつかさどる三叉神経が、血管の圧迫により異常を起こし疼痛の原因になると考えられています。
歯にピリッとした鋭い痛みが慢性的に起こっていることが多く、耳鼻科との連携が必要となります。
⑤偏頭痛、脳腫瘍からくる疼痛
偏頭痛ゃ脳腫瘍など脳神経が原因による痛みで歯が痛くなることがあります。
頭が重かったり、頭痛を伴ったりしていて、歯に痛みがある場合は脳神経外科との連携が必要になります。
⑥狭心症、心筋梗塞などで歯が痛い
狭心症や心筋梗塞等が原因で歯が痛くなること稀にあります。
疲労や様々な原因で、息苦しくなったり疲れやすかったりしていて、歯に痛みがある場合は循環器との連携が必要になります。
⑦心因性による歯の疼痛
うつ病など、心因性の疾患で歯が痛くなることもあります。
歯科的には何の兆候もなく痛みが出ることが多く、しっかりと精査した上で精神科との連携を要します。
~虫歯から蓄膿症になる?~
虫歯から蓄膿症になるとは?
鼻と虫歯の関係性は薄いと考える方々は多いかもしれません。
今日は、虫歯が進行すると蓄膿症になるお話をしたいと思います。
~蓄膿症とは?~
蓄膿症とは頬の後ろ側には上顎洞と言う空洞があります、そこに炎症が起き、膿がたまる症状です。
ちなみに蓄膿症は、古くから使用されている俗称で、歯科業界での正式名称は「歯性上顎洞炎」と言います。
~蓄膿症は耳鼻科領域の治療じゃないの?~
蓄膿症は鼻炎などが悪化してなるイメージが一般的だと思います。
蓄膿症は、「鼻が原因の場合」と「歯が原因の場合」のものと二種類あるんです。
耳鼻科では、「副鼻腔炎」という名称で、歯科では「歯性上顎洞炎」と言うのですが、どちらも呼び名が違うだけで症状は同じです。
どちらにしても処置は原因を取り除く事が必要なので、
「鼻が原因なら耳鼻科へ」
「歯が原因なら歯医者で」
治療を受ける必要があるのです。
ただ、症状状態によっては耳鼻科、歯科ともに受診が必要な場合があります。
詳細は以前のblogも参考にしてください「上顎洞炎とは?症状とその治療法」
~歯性上顎洞炎は上の奥歯(大臼歯)の虫歯から起こる~
①虫歯の進行が原因
歯が原因の蓄膿症のほとんどが、奥歯の虫歯や歯周病が重度に進行し、放置した事により起こります。
虫歯や歯周病を放置したことで、上顎から副鼻腔に細菌が繁殖し、膿がたまっていきます。
下顎には副鼻腔との繋がりはありません。下の歯が原因で蓄膿(歯性副鼻腔炎)になることはありません。
②症状について
歯性副鼻腔炎の症状は、
・鼻づまり
・粘り気のある黄色やチョコレート色の鼻水が出る、
・頬の痛み
・頭痛
・鼻から異臭がする
・物を嚙むと痛みが走るなど・・・
炎症を起こした患部を中心に炎症が起き症状が起こります。
~インプラントを原因とする歯性上顎洞炎も~
インプラントを施術する際に、骨の厚みが足りない事があります。
上顎の場合は、上顎洞と骨の間に人工骨を足して骨の厚みを作り、インプラントを入れれるようにします。
この外科手術の際に上顎洞粘膜が損傷し、そこから細菌感染を起こし「歯性上顎洞炎」になることがあります。
インプラント手術は、やはり経験値が低いとこういうことで起こるので、歯科医師選びも慎重にならなければいけませんね。
インプラントは非常に廉価なものから高額な所まで様々増えましたが、手術をする歯科医師・使用するインプラント素材も注意してみなくてはいけません。
~歯性上顎洞炎、その治療方法~
歯性上顎洞炎の治療は、
①主に歯の根管治療、歯の根の先にある膿を抑えます。
②抗生剤の服用もして頂きます。
③痛みが強い場合は、痛み止めの薬も処方します。
④時には、抜歯をすることで改善することもあります。
~重症化する歯性上顎洞炎の危険性~
全てとは言えませんが、歯性副鼻腔炎は重症化すると病院で手術と言う事例もあります。
あまりにひどい症状になると、原因となる歯を抜歯し、上顎洞に穴を空けて膿を取り出し、洗浄する手術が必要になるのです。
一応、豆知識ですが、
歯性上顎洞炎の手術は、難しい手術ではないため、失敗する等といったことは聞いたことがありません。
しかし、全身麻酔を使用し、術後は1週間程度の入院が必要となります。
そうならないためにも異変に気づいたら、早めの診察をしてこうならないようにしましょう。
~まとめ~
「上顎洞炎」「蓄膿症」「副鼻腔炎」はほぼ同義語と言っていいでしょう。
それが、「歯」が原因なのか、「鼻」が原因なのか、それとも同時なのかによって治療のアプローチが変わります。
なので、気になる方々は早期の受診をおすすめいたします。
歯をあらゆるケガから守るスポーツ用マウスピース(マウスガード)、その効果。
スポーツをしていて相手の肘やボールが顔に当たったりしてケガをしたことがある方も多いのではないでしょうか。
実際、ケガの治療で歯科に受診する方で多いものは
①交通事故
②転倒
③スポーツ
の順に多いのです。
特に前歯は欠けたり、折れたり、抜けたりすることもあり、その場合によっては治療に高額な費用がかかることもあります。
そのためスポーツ用マウスピースでケガを予防することが重要になってきているのです。
今回はそのスポーツ用マウスピースの効果についてお伝えします。
~スポーツ用マウスピースの効果~
①前歯の破折を防止
最近ではマウスピースを義務化しているスポーツもあります。
しかし、現状まだまだ多くスポーツに浸透しているとは言えません。
スポーツの器具などの違い、防具、相手との接触、ボール、ボールの形状、様々な口元に当たる可能性のあるスポーツ。
歯が割れる、折れる、場合によっては根っこから歯自体が抜け落ちてしまうことがあります。
このようになったケース、歯の神経が死んでしまったり、保存できず歯を抜歯しなければいけないこともあります。
スポーツ用マウスピースはこのようなリスクから歯を守ってくれます。
※特に注意が必要な矯正治療中の前歯
12~18歳頃まで、学生時代、部活をしながら矯正治療を行う方が多い時期です。
矯正治療は歯を動かす作業です。なので、前歯も含めて歯に動揺をかけています。
そのため、この時期に弱い力でも前歯が脱臼してしまうことがあり、保存できても歯の神経が死んでしまうこともあります。
矯正器具をつけながら使えるスポーツマウスピースもあります。
矯正歯科やスポーツマウスピースを取り扱っている歯医者で相談してみることをお薦めします。
②歯による口腔周囲のケガのリスク防止
スポーツなどで多大な力が急激に顎などに加わると、お口の中で歯は凶器になるのです。
食事などでは舌や頬を噛んでも、反射反応で思い切り咬み込むことはなく、大きくケガすることはそんなにありません。
しかし、スポーツなどでは強い力が急にかかると歯が鋭い事により、頬や舌、唇を切ってしまったり、最悪頬や唇に穴が開くという大きいケガをすることもあるのです。
なのでスポーツマウスピースは歯が凶器にならないように口腔内、そしてその周囲を守ってくれます。
③奥歯の破折を防ぐ
打撃系格闘技スポーツなど、顎を強打する可能性のある種目は相手の肘や頭が顎にぶつかることはよくあります。時には奥歯が強く当たってしまい、欠けてしまうことがあります。
奥歯の場合、大きく破折ことは少ないのですが、小さく欠けることを繰り返し、最終的に歯の表面が削れ、ざらつきを出す事になってしまうことがあります。
スポーツマウスピースの使用で奥歯が欠けることを防ぐことができます。
④脳しんとうを予防する
上記のようなスポーツなどでから顎を突き上げられると、力が関節に伝わり、頭に強い動揺が及びます。
そこでマウスピースを使う事によって、クッションとなり骨や歯から直接、頭にかかる振動を干渉してくれます。
ただし、脳しんとうに関してはスポーツマウスピースの使用により効果があるかどうかはしっかりとは統計的にまだ立証はされてはいないようです。
⑤食いしばりによる歯やその周囲組織へのダメージの軽減
歯と歯が擦れあい、互いに強く接触する1日の中で食事の時に約15分程度と言われています。
その他の時間は通常、歯と歯の間が少し開いています。
しかし、運動を行っている時に歯をくいしばる方は食事の時より強い力で、長い時間歯と歯が接触するので、歯やその周囲組織にダメージがあります。
食いしばりによって歯の神経が出てしまうところまですり減ってしまったり、歯が揺れたり、欠けてしまったりします。
そのためスポーツマウスピースで歯へのダメージを軽減させる必要があるのです。
~スポーツ用マウスピースの種類、値段、作り方~
①歯医者で作製するカスタムマウスピース
スポーツ用マウスピースを扱っている歯医者で型を取り、そのかた自身の歯型にしっかりフィットしたマウスピースを作製する方法です。
スポーツ用マウスピースは使用する方の歯並びにフィットしていないと、噛み合わせによっては歯や歯茎に痛みや違和感が強くなり、使えないことがあります。
歯医者で自分の歯型に合った、その方専用の精密なスポーツマウスピースを作り、痛みがあれば調整をし、大切な歯を守ることをお勧めします。値段は約1万5千円〜5万円程度です。
しおばら歯科医院ではスポーツ用マウスピース作製費用は1.5万円からとなります。
②自分の歯型を自分で採って送るマウスピース
通販サイトで型取りキットを取り寄せて自分で歯型を取り、専用サイトに配送してスポーツ用マウスピースを作製してもらう方法です。
初めての方が精密な歯型を自分で取ることはなかなか大変だとは思いますが、ある程度自分の歯並びにあったスポーツマウスピースができるのではないでしょうか。
型取りなどの問題で、作製したのに中々フィットしないという事例もある事も事実です。
値段は約1万円〜3万円程度です。
③熱で温め形を整える既成のマウスピース
既成の販売しているもので、大体の型ができているマウスピースを熱で温め、自分の口に入れて合わせるものです。
既成のマウスピースに自分の歯並びがある程度合っている人であればできるかもしれませんが、歯を守るためのスポーツ用マウスピースとしてはあまりお勧めできない品物です。
値段は500円程度でから様々です。
~スポーツ用マウスピース使用上の注意点~
①虫歯になりやすい
スポーツは頻繁にスポーツ飲料を飲みます。さらに口呼吸になりやく、口が渇きやすいので虫歯になりやすい状態です。
さらにスポーツ用マウスピースを使うと唾液の流れが悪くなり、虫歯のリスクは高まります。
そのためスポーツ用マウスピース使用後、就寝前などは必ず歯磨きやデンタルフロス、フッ素の使用などで虫歯予防を行う必要があります。
②カビに注意!不潔になりやすい
口腔内は細菌がものすごく多い場所です。
スポーツ用マウスピースを使用した後は、柔らかいガーゼなどで磨き、入れ歯用洗浄剤、もしくはマウスピース専用洗浄剤などで殺菌する事をお薦めいたします。
不潔な状態が続くとカンジダ菌というカビ菌が増え、口腔内に悪影響が出たり、口臭の原因にもなります。
③合わないものは歯茎が下がる原因に
合わないスポーツ用マウスピースを使うと歯茎が下がる事が起こることがあります。
歯茎はスポーツ用マウスピースよりも弱い軟らかい組織です。
合わないスポーツ用マウスピースの縁が慢性的に同じ歯茎の部分に当たると、歯茎に炎症が起こり、歯茎が下がってしまう歯肉退縮が起こってしまいます。
場合によっては歯がしみてしまう知覚過敏が起こることもあります。
そのため、歯医者で自分にしっかりと合ったスポーツ用マウスピースを作製し、定期的に歯や歯茎の状態を確認してもらう必要があります。
④熱湯消毒は変形する恐れ
スポーツ用マウスピースは通常シリコン樹脂で作られています。
熱湯をかけたりすると変形し、歯に合わなくなる恐れがあります。
また、大きな温度変化は劣化の原因にもなりますので、洗浄するときはお湯ではなく、必ずぬるま湯、もしくは水を使うようにしてください。
⑤マウスピースによって運動効果は向上する?
スポーツ用マウスピースによって運動効果が向上するのかどうかはまだはっきりとした立証はありません。
ただ、ウェイトトレーニングなど様々なスポーツに効果を示す論文も出ています。運動効果が期待できるようなマウスピース使用を禁じているスポーツもあるようです。
しかし、スポーツ用マウスピースはケガを防ぐためのものと考えてもその重要性は大きいでしょう。
⑥スポーツマウスピースと歯ぎしり用マウスピース、その違い
スポーツ用マウスピースは歯を保護するため厚みが3〜5mmで柔らかい素材でできています。
歯ぎしり用マウスピースは夜寝ている時に使うもので厚みは1〜3mmで固めの素材でできています。
当院ではスポーツ用も歯ぎしり用もその方によって個人差がありますので、その作製方法、形状、素材がその目的によって変わります。
なので、元々の目的が全然違うために歯ぎしり用マウスピースでスポーツ用マウスピースとして使っても意味がありません。
そのためスポーツの時は専用のマウスピースを使う必要があるのです。
まとめ
もし、前歯をケガした場合、歯が破折したり、抜けたりしてしまい見た目にもかなり重要です。
修復する場合、時間もかかり、その費用も高価になります。
もちろん保険で補われる部分もあります。しかし、人工物は必ず一生使える、というものではありません。
今後、スポーツ用マウスピースは多くのスポーツで義務化されてくるものです。
ぜひ、スポーツ用マウスピースを使い、大切なご自身の歯を守ってあげてください。
~舌の痛みを放置してはいけない。アナタのしらない舌の痛み、その原因~
今回は舌が痛い原因や治療法をご紹介いたします。
ドライマウス、ストレス、様々な原因で起こる舌の痛みに多い症状をなるべくわかりやすい解説でご紹介致します。
~舌が痛い(舌痛症)患者さんは実は多い~
「舌が痛い時がある・・・」でも、傷をつけたような覚えはない・・・。「何なんだろうこの痛みは?」と言う経験はないでしょうか?
実はこのような舌の痛みをおっしゃる患者さんは、皆さんが思っていられるよりも意外と多くいらっしゃいます。
~口の中の悩み、一番多い悩みが「舌の痛み」~
舌に異常がある場合、受診する病院は歯科口腔外科、耳鼻科が適切な受診科となります。
実際に口腔外科に所属していた者としては、舌が痛いというのはいくつかある口腔内の痛みの中では非常に多い訴えの1つです。
このような「舌痛症(ぜっつうしょう)」と私たちは呼んでいる症状はその痛みの原因は様々な理由が挙げられます。
~知らない間に症状が進んでいる舌の痛み~
①物理的な外来刺激
舌の痛みの原因でまず最初に考えられるのは物理的な刺激です。
虫歯、入れ歯、最近治して入れた詰め物などの辺縁が引っかかったりする為に、舌に痛みが出るという事が多いです。
この原因の場合、この原因を取り除けばいいので、通常の歯科の治療として、詰め物、入れ歯、調整や治療をすれば改善されます。
②アレルギー的原因
詰め物の金属や入れ歯の金属にアレルギーが出てしまい、それが痛みとして症状が出てしまう場合もあります。
専門外来などがある病院ですと、詰め物に対してアレルギーがあるかどうかを検査する科があります。
そういったところへ受診して、アレルギーがあるようであれば、その詰め物(口腔内の金属)を除去するといったことが必要になってきます。
③カンジダ菌(カビ菌)
舌痛症の中でも、時にカンジダという菌による痛みがあります。
これには色々な理由がありますが、口腔内がしっかりとしたケアがなされていないと出てくる菌です。
この対処方法はカンジダ菌を退治することで痛みが取れることがあります。
④その他
亜鉛や鉄分、ビタミンB群など、特定の栄養素が足りないと舌痛症が発症することもあります。
この場合はそういった栄養素を多く含む食材を摂取するように心がけたり、サプリメントなどで補う事で痛みが和らいでくることがあります。
~食材例~
●亜鉛→牡蠣 牛肉
●鉄分→納豆 レバー あさり
●ビタミンB群 (効率的に摂取するには煮たり蒸したりする調理法が損失率が少なくすみます。)
※ビタミンB1→豚肉・うなぎ・たらこ・ナッツ類
※ビタミンB2→豚レバー・鶏レバー・牛レバー・うなぎ・牛乳
※ビタミンB6→かつお・まぐろ・牛レバー・さんま・バナナ
※ビタミンB12→牛レバー・鶏レバー・カキ・さんま・あさり・にしん
~口腔内乾燥による舌の痛み~
口腔乾燥症(ドライマウス)と呼ばれる疾患の一つです。
口腔乾燥症も舌の痛みを引き起こします。口腔乾燥症とは口の中が乾いてしまう症状のことですが、これにも様々な理由があります。
※全身疾患がある場合
※加齢
などから原因不明のものまであり、それぞれ対処方法は異なります。
この疾患は近年、女性に急増中の現代病です。
状態:最近では口腔乾燥症は「ドライマウス」とも呼ばれ、女性に多い病気として注目されてきていますね。
ドライマウスの方のためのマッサージ等もありますよ。ストレスなどが原因だとも言われています。
~地図状舌~
地図状舌といって、地図のように舌に模様が現れて舌の痛みを伴うこともあります。
これはまだしっかりとした原因が判明されていない疾患です。
単純に疲れや体の不調で起こることが多いといわれています。
~溝状舌~
これは先天性のものであったり、傷や感染で起こるものといわれています。
この二つの状態の場合は治療の必要性はないといわれています。
※地図状舌、溝状舌には特に治療は必要ないと言われております。
今回紹介したものの他に、ウイルスによる感染や、舌炎で炎症を起こして赤く腫れて痛みが出ることもあります。
この場合には主に対症療法(うがいをしたり塗り薬を塗ったりする)が適切です。
~まれに舌癌の予兆~
まれに舌癌が原因で痛みを起こしたり、前癌状態である(まだ癌ではない)時に痛みを伴う事もあります。
白板症、前癌状態にある兆候です。
~心因的な痛み~
現代人の多くが抱えている心の病気が舌の痛みにつながります。
実は非常に多い原因の一つで、舌痛症は精神的なものが多いといわれています。
痛みが出るまで舌なんてチェックしたことなかった、という方がほとんどです。
痛みがあって舌を鏡で見てみたら、ぶつぶつがたくさんあった!癌かもしれない!(正常な状態です)と思ってさらに痛みが出る場合などは、
更年期障害などで心因的に痛みがひどくなる場合、ストレスが多いとき痛みを感じる方が多く見られます。
~まとめ~
以上のとおり、舌が痛いといってもたくさんの原因と対処法や予防法(はあまりありませんが)があります。
軽度のものであったり、重大な問題が起こったり、命にかかわったりすることもありますし、どの場合でも保険が適用されますので、
痛みがある場合は一度受診したほうがよいでしょう。
~歯を失って放置する事による起こるトラブル~
~食べ物を小さく噛みけれず、消化器官に負担をかける~
歯がなくなると食べ物を噛み切る、すり潰す、などの「咀嚼」ができなくなります。
お口の中が全く歯を欠けている事なく健康な状態の噛む力を100%とすると、下の奥から2番目の歯が1本が無くなっただけで、
その咬合力は30%落ちると言われています。
うまく噛みきれないまま飲み込んでしまうと、歳をとって胃腸等の消化器官が弱ってきた体にかなり負担をかけてしまいます。
~歯を抜いた周囲の歯が動いてくる~
歯がなくなると、その周囲の歯は、その欠損部分に向けて前と後ろの歯は倒れ込み、上や下の歯は伸びてきてしまいます。
そうすると、いざ治療をしようと思った時に、動いてしまった歯が支障となり、部分入れ歯が作れなかったり、動いてしまった歯を大きく削ったり、神経を取らなければいけなくなったりします。
~歯を抜いた周囲の歯が歯周病や虫歯になる~
咬合によって歯はお互いにこ擦れ合って、自然に汚れが取れる部分もあります。
歯が一本なくなるだけでも、周囲の歯がうまく咬むことができず、汚れが残り、虫歯や歯周病に罹患しやすくなります。
~顔の歪みの原因になる~
顔面の形は様々な筋肉で形成されています。
片側の歯が抜けてしまうと、いつももう片方の歯だけで噛んでしまいます。
顔の筋肉も咬む方だけがいつも使われる、左右の顔が歪んできてしまう事がなどがあります。
~歯ぎしり(ブラキシズム)、食いしばり(クレンチング)が強く起こる~
かみ合わせや顔面周囲の筋肉のバランスが崩れてくると、体は歯ぎしりで歯を削って自分で本来のかみ合わせを整えようとします。
そうする事により、歯ぎしりや食いしばりが強くなり、顎の関節などにも影響を与えてしまう事があります。
~体幹バランスの悪化~
口の周囲筋肉群は、首、肩、頭の筋肉にもつながっているものがあります。
この左右の筋肉のバランスが崩れると体のバランスに影響を及ぼす事が多々あります。
~部分入れ歯とその種類~
①基本的な保険の入れ歯
②見た目が気になる方にはスマイルデンチャー
金属のフックの見た目が気になる方にお勧めの入れ歯です。
金属のフックの部分を歯や歯茎の色と同じプラスチックで作製します。
自費診療となり大きさ、形にもよりますが8万円~40万円程度です。
噛む力は歯に比べて20%~30%で、硬いものや粘着性の物は噛むと入れ歯が動揺しやすいのは保険内のものと同等です。
様々な理由で入れ歯ではなくインプラントをしたいけれどもまだ出来ないという方におすすめです。
③咬合力が強くプラスチックの入れ歯(保険内の入れ歯)だと壊れやすい、入れ歯をもう少し強固にしたい方に金属床
入れ歯がよく割れてしまう、壊れてしまう方にお勧めの入れ歯です。
入れ歯の歯茎にあたるピンクの部分と歯にかけるフックの部分を一体化させ、強度を増し、そして金属を使用することにより薄くした入れ歯です。
これは保険が効かず、自費診療となります。
おおよそ、25万円~45万円程度で、壊れにくく、歯にしっかりフィットする為、食事の時に保険内のものよりも取れにくくなります。
~入れ歯を使いたくない、どうしても使えない方々にはインプラント治療~
入れ歯はどうしても使えない、合わない、残っている歯を大切にしたい、そんな方々にお勧めです。
インプラント治療とは、歯の無くなったところに人工歯根(インプラント)を入れて、歯と同じように噛めるようにする方法です。
自費診療となり1本、約40万円程度です。噛む力は何も治療されていない歯と比べ90%程度まで回復します。
ただ、歯と同様に汚れが溜まると歯周病になってしまいます。定期的なメンテナンスが必要です。
詳しくは以前にblogに書かせていただいた「インプラントとはどんなもの?」を参考にしてください。
~スマイルデンチャーを選ぶ事によるメリット~
①金属を使用しないため、見た目入れ歯だと気づかれにくい
スマイルデンチャーにはフックは歯や歯茎の色に合わせて作ります。
大きな口で笑っても入れ歯が入っていることには気づかれません。
歯茎の色に合わせたフック自体も歯の根元に添わせるために段差もほとんど目立ちません。
より審美感を気にされる方々にメリットがあるでしょう。
②透明感があり歯茎に違和感がない
スマイルデンチャーのプラスチックは透明感があり、柔らかくしなる素材です。そのため歯茎に色が馴染み口元が綺麗に見えます。
③入れ歯を薄くできるため舌感が悪くなりにくい
上記したとおり、スマイルデンチャーは保険の入れ歯に比べ強度、柔軟性がある素材のため、薄く作ることができます。
そのため違和感が少なく保険内の入れ歯と比べ舌感が良く、使いやすい入れ歯となります。
~入れ歯の作製方法~
部分入れ歯は自分の歯にひっかけるための針金、フック、人工の歯、人工の歯ぐきで構成されています。
大きさは1本だけのものもあれば、総入れ歯に近いものまで様々あり、形も人によって違います。通院には約3~5回かかります。
【作製工程一回目】
※歯を少し削る
歯にかけるばねの通り道を作るために、歯を少し削ります。切削量は少ないため、麻酔は必要ありません。
※歯型を取る
歯がなくなった欠損部分の歯型と、それにかみ合う反対側の歯の歯型を取ります。
※噛み合わせをとる
患者様がどこで噛んでいるかを確認するためにかみ合わせを取ります。低くなってしまったかみ合わせ、ズレてしまったかみ合わせ等もここで確認します。
【作製工程二回目】
※人工歯を並べてみる
歯並びや歯ぐきの位置を確認します。ここで調整をして、人工歯、入れ歯の適合をお口の中で合わせます。
【作製工程三回目】
※部分入れ歯を付ける
しあがった入れ歯の形を口の中の状態と合わせながら最終調整していきます。
噛み合わせ、入れ歯を噛んだ時に歯茎にあたる部分に痛むところがないか確認していきます。入れ歯を使う方にはこの時取り外しの練習やお手入れの方法の説明をします。
【作製工程四回目】
※調整
新しい入れ歯は使いはじめて、当たるところ、痛いところを削り調整します。
人によってすぐに馴染む方もいれば、なかなか馴染むまで時間がかかる方もいらっしゃいます。そのため、入れ歯を入れてからも何回か調整に来ていただく必要があります。
~まとめ~
今回は大まかに入れ歯についての基礎的な部分をご説明させていただきました。もちろん入れ歯だけでなく、他の治療にも様々な選択肢があります。
そんな中で信頼できる歯医者さんと一緒に考え、相談していきながら、一番いい治療法を選択していただきたいと思います。
~いい歯医者さんの選び方10のポイント~
現在、歯科医院と歯科医師は過剰時代に突入したといわれています。
日本全国、歯科医院の数は70,000軒近く。コンビニの1.5倍という報告があります。
もちろんこれには地域差があり関東、特に東京などにはコンビニの2倍を超える過密エリアもあるのです。
これを多いと考えるか少ないと考えるか、患者様にとってはそれぞれですが、この状況には色々な課題が含まれています。
歯科医院といっても開業して何十年というベテラン、新規開業、1日の患者数が数人のところ、百人に近いところ、予約がすぐとれるところとなかなかとれないところ、など本当にさまざまです。
となれば、患者さんによっては希望に合うところもあるかもしれませんが、合わないところも多く出てくるのは当然でしょう。
医療機関といってもそれを運営しているは人間です、考え方や治療方針などの相違は当然でてきます。
~開院が加速している歯科医院の現状~
現在、厚生労働省の調査によると歯科医院は増加傾向にあります。
こうした状況をみると、まだまだこれからも歯科医院過剰傾向に終わりはほぼ見えない状況です。
このような状況の中、歯科医院はどうやって患者さんを集めるか、そこが個々の歯科医院にとって死活問題となります。
20年前と比較しても確実に現在のほうが厳しい状況の中、集患にとらわれて診療がおざなりになってしま医院も多く、歯科医院によってはトラブルに発展するケースがあると聞きます。
こんなトラブルは患者様にとっては「運が悪かった」だけでは済まされませんよね。
つまり、今や患者様側に「信頼できる歯科医院選び」ができる力を養っておく必要があります。
歯科医院選びは同じ治療でもその結果が大きく左右されます。
高齢化社会のに突入するこの長い一生の中、快適な歯科医院通院を過ごすため、重要なポイントといえるのではないでしょうか。
※歯科医院が多い現状
※玉石混交の歯科医院
※歯科医院を見極める目が患者に必要
では、どういったポイントに気をつけて歯医者さんを選べばいいのでしょうか。
~知っておきたい10のポイント!現代の「良い歯医者さん」の選び~
ここでは「間違いのない歯医者さんの選び」の11個のポイントに絞って紹介します。
ねるべく簡単にポイントだけを読んでいただければ内容が理解できるようになっています。
では、良い歯医者さんを選ぶ11のポイントをご紹介致します。
①治療説明をしっかりとしてる
患者さんは大体の方が虫歯になりたくてくる方はいないと思います。
本来、定期健診などでしっかりメンテナンスする事をお薦めしてはいますが、中には何年かぶりに歯科医院に受診されるかたも多くいらっしゃいます。
そんな不安を抱える中、一つ一つの治療に対してきちんと検査し、現状、治療方針、選択肢を説明し、患者さんの不安を取り除き信頼関係を築こうとする姿勢は治療の満足度を大きく左右します。
②清潔な院内
基本的にキレイな院内の所は印象も良くなります。誰も汚い所はなるべく選びたくないはずです。
そして清潔なことに加え、院内感染予防の徹底が行き届いた清掃や整理整頓は患者様の安全性とモチベーションを高めてくれる重要な要素の一つです。
③予防に力を入れている
歯医者は痛くなってからの治療はもちろん必要です。
ですが、痛くなる前に未然に口腔内の異常を予防できる事に力を入れていることが、これからの歯科医院として健康をサポートする高い使命感の現れであり、
患者様が歯科医院を選択する大きな要素といえるでしょう。
④チーム医療が出来ており院内の雰囲気が良い
歯科医師とスタッフとの連携がうまくできていてる事は治療をしていく上でとても重要な事です。
中々、患者様にはわかりづらい所ですが、院内の雰囲気が明るい歯科医院なら安心できるといえるでしょう。
歯科医師、スタッフがやさしく接してくれる事もこの項目での判断基準でしょう。
⑤痛いところの治療だけでなく、全体を診る
患者様の要望は様々です。
「痛くなくしてくれればいい」
「歯を抜いてくれればいい」
「クリーニングだけしてくれ」
もちろん患者様の要望に少しでも応えれるように、日々どこの歯科医院も頑張っています。
ただ、お口の中のトータル的な事を考えれば、全体的に口腔内を診て、部分的な暫間的な治療はおすすめできません。
虫歯や歯周病の治療といった局所的なものだけでなく、そこに関連して体全体の健康を見据えた治療方針をたてることが大切です。
⑥予算を考えてくれる
歯科治療には様々な治療法があります。よく聞くところでは、保険内診療がいいか、保険外診療がいいか、などです。
もちろんそれにはそれぞれのメリット、デメリットがあります。口腔内環境によっては要望通りできないものもあります。
その中からより希望にかなう予算内での最適治療を考えてくれる歯科医院は患者さん目線を忘れていないよい歯医者さんといえるでしょう。
ですから当院では最初にどのような治療を希望されるかを問診票にてお伺いします。
そこで、最適な治療を提案させていただきつつ、要望になるべくそえれるように患者様と一緒に検討していきつつ治療をすすめていきます。
⑦ホスピタリティー
ホスピタリティー、わかりやすく言えば「思いやり」の精神です。
これはあたりまえといえば、あたりまえです。
しかし、そこには
「患者様が待合室で少しでも待ち時間がすくなくなるように」
「腰の痛い患者様の適切な椅子の倒し方」
「電話応対での患者様が安心できるお声掛けの仕方は」
などなど、挙げればきりがないほどあります。
そうでなくとも患者様は痛みや不安を抱えて受診します。患者さんが安心して相談できる雰囲気ができているかどうか、そこは大きなポイントです。
⑧拡大鏡などの使用
歯科治療は非常に繊細な治療です。
その精度をより高める拡大鏡などを使ったり、昨今ではマイクロスコープ等を使用して治療をする先生もいらっしゃいます。
最新機器が入っていればいいというわけではありませんが、精度をより高めた治療を目指している歯科医院は非常に安心できる要素です。
⑨様々な治療に適した設備を導入している
X線機器、各種検査機器、治療器具など精度の高いものを導入している歯科医院ならば、現在の患者様の口腔内の状況をしっかり把握することが可能です。
そして、現在自分がどのような治療状況なのかを把握したい時に他医院でそれを調べることができる(セカンドオピニオン)にもおすすめです。
⑩減菌を徹底している
医療機関で絶対に見過ごしてはいけないのが感染対策です。
例えば、当院では歯科医師、スタッフのグローブの交換はその都度徹底しております。相当量のグローブの廃棄が伴いますが、
そこは患者様の感染対策には必須条件です。
他にも細かな器具、歯を削る機器類などはその都度高圧蒸気滅菌をかけ、一つ一つ袋に梱包して滅菌を徹底しております。
~まとめ~
歯医者さんのあり方は時代の変遷とともに昔と比べてずいぶん様変わりしました。
現在の医療、特に歯科医療はサービス業であると言われるのは、昔のような上から目線の「先生様」もような殿様治療ではなく、患者様目線での治療の重要性が浸透してきたことの表れでしょう。
ホスピタリティという言葉のもつ意味の通り、全ての人ができるだけ快適に不調もなく、日々の生活を送れることを目指した医療が理想であり、そのような理想をもった歯医者さんを見つけることができれば、きっとそれは生涯を通じたお付き合いができる事でしょう。
もちろん、歯科医師を生業とする以上は報酬もなくてはいけません。
ただ、治療の説明もなく、やたらと自費だけを勧める歯医者などは患者さんにとっては考えものですね。
前述しました通り、自費だけでなく保険内でも十分に良い治療もあります。
説明にきちんと時間を割いてくれるところ、予約がきちんと実行されるところ、そのような歯科医院であれば自ずと信頼できます。予防や指導など患者さん側に立った治療に力を入れていることも大きなポイントといえます。
患者さんは実際に行くまでどんな歯医者なのかはわからないものですが、電話応対を含め、実際に行った人の声を聞いたり受付やスタッフの対応がきちんとしているかなども参考にするといいですね。
現在、歯科業界は歯科医院過剰問題や歯科技工士勤務形態のブラック化など様々な苦境に立たされています。
しかし、こうした時だからこそ「本来の歯科医療」のあり方を今一度見直し、今回掲げたより良い治療を患者さんに提供する歯科医院が生き残っていきます。
そして、患者様も歯科医院とのお互いのwin-winの関係性をもっとより感じ、考える時代になってきているという事でしょう。
歯科医院と患者様との距離が良い関係性を元に今よりも縮み、口の健康から、より質の高い人生へと繋がるようにしていきたいものです。
~お子さんの歯科治療につきそう時、そのポイント~
当院では0歳の赤ちゃんから高校生まで、さまざまな年齢のお子さん達がご来院いただきます。
最初はママが一緒でないとだめで、泣くしかなかった子も大きくなり成長するにつれて平気になります。
3~4歳になれば、待合室でママと離れ、1人で診察椅子に座り、診療室に来てくれる子が増えてきます。
しかし、中にはだいぶ大きくなっても中々歯医者さんへの恐怖が消えずに泣いてしまい診察ができない子も…。
そこで、今回は歯医者さんが苦手な子どもを歯科医院につれていく、そんな時のポイントをお伝えします。
~「こわい(恐怖心)」という気持ちを理解、共有してあげましょう~
いくつになっても歯医者は怖いものです。
小学生の高学年でも泣いたりしまう子は必ずいます。
親御さんはとなりではその子より小さな子が泣かずに治療ができている様子を見ると、
「あんな小さい子にだって頑張ってるのに!どうしてちゃんとできないの!?」
と、つい怒りたくなってしまうお父様お母様もいらっしゃるかもしれません。
でもママやパパはどうでしょう?
まず、お子さんがこわがっているその気持ちを理解してあげましょう。
大人であれば、嫌な場所は行かなければいいけれど、子供はそうしようにもできません。
こんなに嫌なのに、無理矢理連れてこられてきてしまった、なんて思っているかもしれません。どうかその「こわい」という感情も共有してあげれる頼もしい味方でいてあげてほしいと思います。
~大人だってこわいものは嫌~
大人も子供も何を「こわい」と感じるのか、
どの程度の「こわさ」を感じるかは、
それは成人、子供問わず本当に人それぞれです。
お子さんの歯科医院への恐怖は様々で
※お口に水がかかるのがこわい
※お口の中のバキュームがこわい
※削る音がこわい
※ライトがこわい・・・・・etc
様々、それぞれ各個人違います。
「他の子みんなできてるのに!水なんてこわくないでしょ!」
とついつい叱ってしまうママには、
よく「お母さまは虫が好きですか?」と聞くことがあります。
大概のお母さまは「大嫌い」という方が多いですよね。でもお子さんによっては昆虫が好きなお子さんもいらっしゃいます。
その大嫌いな虫を、お顔に近づけてくださいと言われたらどうでしょう?
「小さい子はダンゴムシなんかこわくないですよ!」
「それはただの虫です、ちっちゃいんだからこわいはずない!」
そう言われたって、絶対嫌ではありませんか?
これは極端な例かと思いますが、他の人には平気な事も自分にとっては絶対にできない事も、必ず大人でもあります。
年齢がある程度まで達せれば大丈夫はずだとか、もっと小さい子ができているからできるはずだということではありません。
そんなに嫌なことを、泣きながら一生懸命でも頑張っているということを、気持ちから理解してあげましょう。
~親御さんの不安を子どもは敏感に感じ取っています~
お子様の治療中には
※ママやパパが治療イスの近くにつきそっていいただく場合
※待合室で待っている場合
この二種類の事が多いです。
歯科医院に様々な方針がありますので、
「親御さんの診察室の入ってくることを禁じます」や、
「3歳以上の子は一人で診療室に入ってきてください」というルールを設けてる医院もあります。
逆に「治療中はどんな時でも近くにいてあげてください」という医院もあるかもしれません。
このいずれの場面でも、一番の味方であるママやパパに不安な気持ちがあると、子どもはそれを鋭敏に感じ取って、来院する前から不安を煽ってしまいます。
ですので、歯医者さんが苦手だというママやパパも、お子さんの前ではなるべく不安顔を見せたり、「ちゃんしないともっと痛いよ!」などと言わず、冷静に、そしてリラックスした様子で接してあげてください。
~治療中のお子さんと歯科医師とのコミュニケーションを妨げるのは逆効果です~
まだ親御さんが近くにいないといけないお子様の治療のときに近くにいる場合は、お子さんと歯医者さんとのコミュニケーションを遮らない注意が特に必要です。
例えば、
※歯医者さんからお子さんへの問いかけにかわりに答えてしまったり
※治療中に「痛いの?」「大丈夫?」などと子どもに聞いたり
※「痛いね、痛いね、頑張るんだよ」など、「痛み」の不安を無駄に煽ったり
治療が始まったら、どんなに泣いたり暴れたりしてしまっても、対応は歯科医師、スタッフに任せましょう。
治療時はママやパパは待合室で待っていてもらい、お子さんだけで行うほうがより早く、お子さんと歯医者さん、スタッフとのコミュニケーションがとれるようになることが多いです。
親後さんがそばにいると、泣いて訴えていた子が、自分と歯医者さん、スタッフだけになると、ケロッとして普通にお話ししてくれるケースはよくあります。
お子さんの治療のときに近くに寄り添ってあげたい気持ちはとてもよくわかります。
しかし、ちょっと離れて待合室で待っていてあげるほうがスムーズに治療が行えることもありますので、信頼してお任せしていただけるといいなと思います。
ただ、年齢、成長具合によっては親御さんの付き添い、介助をしていただく事もあります。
そこの支持も医院に一任していただけると助かります。
~治療の後はたくさん褒めましょう~
お子さんを一番応援できるのはママやパパの存在です。その一番大切な役割は治療後のお子さんへの対処です。
治療後に「痛かった?」と聞く方が多いと思います。
しかし、これだと嫌だったけれど一生懸命一人で座り、我慢して痛かった時間がよみがえってしまいます。
できれば「がんばったね!」「一人でできてかっこよかったね!」「きれいな歯になったね!よかったね!」などポジティブに声かけしてあげましょう。
泣きながら治療をしているお子さんの姿を見たりすると、虫歯にさせてしまった自分を責めて「ごめんね」と子どもに謝るママもいます。
しかし、「ごめんね」と言われると、自分は何も悪くないのに、何かいじわるな事をされてしまったのだと思ってしまいます。
例えば、お子さんの治療後に「痛かったね~、いやだったよね~、こんなとこ早く帰ろうね~!」と治療後に必ず声掛けしてしまうお母さまがいます。
そんな声掛けだとお子さんはいつまでたっても治療に対して率先した協力を得られないままです・・・。
虫歯の治療は「悪いことを無理矢理されている」のではなく「虫歯を治し、痛くなくするために歯医者さんと一緒に頑張るんだ!」という認識を持つ事が重要です。
「ごめんね」のような謝罪ではなく、「えらいね」「むし歯いなくなるね」という称賛や褒めてあげる言葉をいっぱいかけてあげてください。
大人も子供も歯科治療は皆さん苦手なものです。
お子さんが頑張っているとき、一緒にいるママやパパの様子、行動、声かけは、治療が今後スムーズにいくかどうかを決めるとても大きな要素であり指標です。
泣いてしまうこともあるかもしれません。泣かないお子さんはいないといってもいいでしょう。
でも、そんなお子さんを歯科医院と一緒に「頑張って歯を治すぞ!」と思えるようにしてあげましょう。
終わったら大好きなママやパパにたくさん褒めてもらい、誇らしい気持ちになれるように、お子さんの頼もしい健康応援団長でいてあげてください。
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