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【口呼吸するのは人だけ?】

呼吸(外呼吸)には二種類あります。

空気を肺に口から取り込む「口呼吸」
鼻から取り込む「鼻呼吸」とがあります。

表面上、その違いは酸素を吸い込み二酸化炭素を吐き出す呼吸。
肺に新鮮な空気を取り込むのには一見その方法が口からなのか、鼻からなのかだけの違いに見えるかもしれません。

しかしその過程で、大きく身体に及ぼす作用が違うのです。

人間に多い病気の発症と「口呼吸」

哺乳類の中で、口呼吸をしているのは、私たち「人間」だけなのです。

犬が、舌を出して「ハアハア」しているのは、息をしているのではなく、体温を下げているからです。ですので、呼吸とは作用機序が全く異なります。

しかし、人間は「言語」を獲得し、言葉を発するようになったので、口と気道がつながり、鼻の代用に口でも呼吸ができるようになりました。

そのため、深く咳き込んだ時など、食物や汚れた唾液を気管に入り発症する、「誤嚥性肺炎」を引き起こすことにもなっています。
このように、ベストな「鼻呼吸」ができるのに「口呼吸」を続けるのは、身体的には本来不自然なこととも言えます。

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関節リウマチ
アトピー性皮膚炎
気管支喘息など

人間に多い病気の発症と「口呼吸」の関与も、最近論じられています。

【「口呼吸」の発達・発育への影響】

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赤ちゃんも乳児期までは、他の哺乳類と同様に鼻で呼吸をしています。
それは、息継ぎをしないで母乳を飲めるのに認められる所です。

それが、「あー、う―」と喃語(赤ちゃん語)をしゃべり始めるころに、口呼吸ができるようになります。
発語時期が口呼吸デビューですが、その口呼吸定着化は空気中の異物の吸い込みリスクの上昇にもつながります。
また、鼻呼吸よりも酸素の喚起量は少ないので、子どもの発達・発育に影響は少なくないと思われます。

そして、口呼吸が続く状態で発育する事に、口がポカンと開いた状態となり歯並び、顔貌にも大きな影響を与える要因となります。

【「鼻呼吸」と「口呼吸」の差は?】

スライド1

※鼻呼吸

空気中には無数のほこりやちり、PM2.5や花粉などが浮遊しています。
よくないウイルスや化学物質もたくさん含まれています。

その有害な物質を吸っても、フィルターを掛けて排除できるのが、鼻呼吸です。

鼻で吸い込んだ空気は、鼻粘膜表面の繊毛と、流れる粘液できれいに濾過され、鼻水として体外に排出されるシステムです。

仮に、そのガードをすりぬけても、口腔から咽頭にかけての扁桃リンパ組織でキャッチされ、痰として排出されます。
鼻腔とは、異物からからだを守るための最前線基地です。こうしてからだには、防衛線が張られているのです。

※温度と湿度について

鼻から吸い込んだ空気は、血流の豊富な鼻腔組織、そしてその中にある副鼻腔のおかげで、
適度に温められながら十分加湿され、温まれて湿った空気が肺の中に送り込まれる仕組みです。

鼻腔は、加湿機能付き空気清浄機と言われます。

【では口呼吸はどうなのでしょう?】

スライド2

口から入った空気は、口腔内の水分を奪い取りながら、肺の中へ到着します。

その中にはフィルターにかけられないため、空気中のちりなども含まれていて、
場合によっては喉や気管を痛めたり、感染させるおそれがあります。

また、空気の加湿が不十分だと、酸素と二酸化炭素を交換する肺胞の粘膜にもなじみにくく、
鼻呼吸に比べると、酸素の摂取量はぐっと少なくなります。

つまり鼻呼吸に比べて、肺に負担をかける割には酸素の取り込みが悪い呼吸となっています。
また、息を吐くときには、口呼吸は鼻呼吸よりも、からだの体温を含んだ二酸化炭素を吐き出すので、体を冷やしてしまうということも問題となります。
口呼吸を継続することが、いかに体に負荷をかけることが理解できます。

【口呼吸、そして自律神経との関係】

不眠、関節リウマチ、花粉症、胃潰瘍、脳梗塞。。。etc
これらは、現在私たち現代人を苦しめる慢性疾患は、自律神経(自分の意志とは無関係に内臓や血管の働きを司る神経)の乱れで起こることが、示唆されています。

※のどの渇きによる体のほかの部分の病気

子供のころ、駆けっこの順番を待つ間に、喉がカラカラになったりしませんか?
緊張して話すときに、水を口に含むことはありませんか?
人間は緊張すると、のどが渇くのです。

これは、唾液を分泌する唾液腺は、自律神経に支配されていて、
自律神経の中の交感神経が優位になると、唾液の分泌量が減少し、のどの渇きが起こるということです。。

逆に、前述した口呼吸の継続により、口腔内・喉が渇き、荒れてくると身体は緊張状態にもなってゆきます。
これは、口腔内の慢性炎症の継続、扁桃腺の炎症、上咽頭粘膜の炎症が、体の免疫反応を過剰亢進させます。

すなわち、いつも体を頑張らせる交感神経優位の状態を常態化させ、
その結果、体のほかの部分の病気を発症すると言う「病巣疾患」の考え方が、いわれてきています。

◇他にも、自律神経の乱れを引き起こす事により口呼吸の子供たちの情動にも左右する等も言われたりします。
◇口がいつもポカンと開いて、口の中が渇いていると、口腔内細菌の増殖、空気中の有害物質の付着などで、口腔、のどの免疫システムに、警戒警報が発令され、そのことで自律神経の乱れを引き起こす流れになります。
◇前述した通り、口呼吸が続く状態で発育する事に、口がポカンと開いた状態となり歯並び、顔貌にも大きな影響を与える要因となります。

単に「くち」が渇いているでは、決してすまされない体のメカニズムが、知らず知らずに働く! ということなのです。

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小さい頃から歯医者さんって怖いですよね。
そんな方々は大人になっても多くいらっしゃると思います。

そんな方にぜひ読んで欲しいと思います。

現在、歯科医療は飛躍的に進歩しています。
患者さんにいかに快適に治療を受けてもらうか、そんなことを日々考えてる歯科医院は非常に多いです。

歯医者さんが怖い人たちは「歯科恐怖症」なんてものに分類されたりもします。

「歯医者さんは何をされるかわからない、何をされているかもわからない…。」

そんな不安を今回、このblogを読んで頂き、すこしでも怖さを払拭していただけたら幸いです。

~歯科が嫌いになってしまった代表的な理由~

◇幼少期のトラウマ

 

・幼い頃、虫歯になり子どもは暴れるから、という理由で診療台の上でネットでぐるぐる巻きにされた。
・麻酔なしで治療されて痛い思いをした。

虫歯の度合いによってはこのネットでぐるぐる巻きにする「抑制帯」というものは必要な時もありますが、
そんな経験から歯科が大人になってからも怖くて仕方ない、という方々の意見を多く耳にします。

一度嫌な思いをされたら誰だって嫌になりますよね。

◇キーーンという音

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歯科医院の待合室に入ると聞こえてくる処置台からの「キーーーン」という音。
ガリガリと削っていることを連想させられてしまい、それが恐怖心を煽ってしまいます。

◇独特な消毒のにおい

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これもまた歯科医院に入ると鼻につく特有の消毒液臭。
病院であれば器具などの消毒をしなければ衛生面を保てないので、皆さん仕方ないと思いますが気になってしまいますよね。
この独特の匂いに嫌悪感を持つ方々もいらっしゃいます。

◇疼痛

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麻酔をするのも治療するのも痛みを感じずにはいられない。
いつまで続くのだろう、と治療の最中に考えてしまいたくなる痛み。
皆さんここが一番のポイントかもしれませんね。

~歯科に通えるようになるため知っておきたい五つの項目~

①予約の際、歯科治療が苦手なことを事前に伝えましょう

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歯科医院には、毎日たくさんの様々な患者さんが来院されます。
その理由、事由は様々ですが、一人ひとり合った最善の治療を行おうとする歯科はたくさんあります。

歯科恐怖症の方は、「いきなり行って治療されるのが怖い」と思われるなら、
まずは検診を受けて現在のお口の中の状態を把握してみるのもいい案です。
レントゲンを撮影し、口腔内を診査してもらうと、その中ですぐに治療をした方がいい歯とすぐに治療をしなくてもいい歯を見極めてもらいましょう。

すると、ご自身で思っているほど口腔内の処置は少ないかもしれません。
もし、治療する箇所が多いとしても、その指針が把握できるだけで安心感が生まれます。

予防歯科に力を入れている歯科であれば歯科衛生士がいます。
歯科医師では緊張して話せないという方でも話しやすいと思います。

治療をはじめる前にクリーニングをしてもらい歯科治療に慣れるのもいいです。
まず治療順序としてもその方がお口にとっては本当は良いのです。

②「キーン」というこの音の正体

歯科で聞こえる「キーン」という音。ご存じのとおり歯を削る音です。

しかし、この音は歯だけではなく銀歯を付ける時に金属を調整する為に銀歯を削る音だったり、入れ歯を調整する為に入れ歯を削る音たったりするのです。

もし、この音に恐怖心をお持ちなら落ち着いて考えていただいて、
「これは金属や入れ歯を削っている音なんだ!」と思っていただけたらいいと思います。

③鼻につくような薬液臭は今はほとんどありません

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歯科も耳鼻科・皮膚科などと同じように医療機関です。
患者さんに使用した器具は洗浄し、薬液につけて、滅菌しています。

現在、昔に比べその臭いはほとんど無臭といって良いくらいです。

ただ、歯の神経の処置をする時に使用する薬品は少し薬液臭があるかと思われます。
しかし、その薬品のにおいがあまり好ましくないという歯科医も増え、においの強い薬品はあえて使用しない機関も増えてきています。
そして、薬品も日々進歩していてにおいの少ない薬品を積極的に取り入れています。

④痛みがあるなら遠慮なく言う

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「少しでも痛みを感じることがあるなら伝えてください。」歯医者さんは処置前には言います、

でも、無遠慮に「痛いです」なんて言いずらいですよね。

そんな時はそっと左手を挙げて頂けたらと思います。
歯科では、口を開けている患者さんが何かを伝えたい時しゃべることができないので左手を挙げてアピールしていただくのが良いとされています。
なぜ左手かというと右手を挙げてしまうと歯科医師の治療している手に当たってしまったりするのて危険です。
左手であれば歯科医師の対角線上であるので視界に入りやすいのです。

現在の歯科医療は極力できる限りの無痛治療を目指しています。
しかし、痛みの感じ方は人それぞれで、個人差があるもの。
それを歯科医師は理解しているのでご自身が痛いと感じるのであれば必ず伝えてください。
我慢をし過ぎてしまうのはメリットはありません。

麻酔に対して恐怖心をお持ちの方もたくさんいらっしゃいます。
当院では注射の麻酔を打つ前に表面麻酔という塗るタイプの麻酔をして、歯茎の表面を麻痺させてから注射を行います。
この表面麻酔のおかげで麻酔に対する痛みは昔に比べて減っており、麻酔の針も0.26mmと非常に細くなってより痛みがでないように進歩しております。

⑤ホームページやSNSを見てみましょう

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現代のほとんどの歯科医院では、ホームページを作成しています。
まずは、ご近所の歯科医院のホームページを見てみてください。
ホームページにはその歯科医院の特色や理念、考え方などが載っているはずです。

歯科医師や歯科衛生士の写真なども載っているかもしれません。

SNSなども併せ見て、その中に気に入った歯科医院があればいいですね。
事前に歯科を見ていれば親近感も湧くかもしれません。

~まとめ~

歯医者さんが嫌い。そんな方が予約の電話をするのは大変勇気のいる事です。

歯科医院は予約制になっているのでご予約をお勧めします。
予約の際には、ご自身の現在の歯の状況(痛い・取れたなど)があればお伝えください。
不安に思っていることがあればそのことも伝えてみましょう。
当院では電話応対でも、答えられる範囲でお答えします。

電話した歯科医院が親切に答えてくれる歯科医院ならあなたにとって良い歯科医院かもしれません。

皆さんにとって自分に合った歯科医院が見つかる事を願っております。

「歯が浮く感じがする・・・。」その原因は!?

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何だか他の歯に比べて、一本だけ歯が浮き上がっている?感覚がある。

鏡を見ても特に変化は見られない。

もしかしたら大きな病気の前兆かもしれません。

今回のテーマでは歯が浮く原因を紹介し、それぞれへの対処法をお伝えしています。

~歯が浮く原因は!?これだけは知っておきましょう!~

「激しい痛みはない、だけど歯が浮いている感じがする・・・、これって何!?」

「激しい痛みはないけど歯が浮いた感じがあります。いったい、この歯が浮くとはどういった状態で、何が原因なのでしょうか?」

こんな患者様からのご意見をよく耳にします。
まず、歯は顎の骨に埋まっています。その顎の骨と歯は直接くっついているわけではないのです。
「歯根膜(しこんまく)」と呼ばれる薄い繊維状組織によって繋がっているのです。

歯の構造

この歯根膜(しこんまく)の役割はいわばクッションの役割です、噛んだ時の骨に与える衝撃を和らげるために存在します。
また噛んだ時の繊細な感覚や刺激を脳に伝えているセンサーの役割もあるのです。

歯が浮くという状態は、この歯根膜が何らかの刺激やダメージを受けていると考えられます。
血行障害が起こっているために現れる症状なのです。
これは身近なところで例えると、肩こりと同じような状態です。

~「歯が浮く」症状の主な原因そして対処方法~

◇歯が浮く症状に考えられる主な原因7つ◇

①ストレスや疲労
②歯ぎしり
③食いしばり
④歯周病
⑤神経を取る処置を行った術後
⑥歯の根っこの先端に膿が溜まっている
⑦固いものを噛みすぎによる歯への過荷重

では、それぞれについてご説明します。

~ストレスや疲労~

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ストレスや疲れで身体は体液の流れが悪くなります。
それは血液やリンパ液の流れが悪くすることで、頭痛や肩こりが起こったり、倦怠感がでたりします。
その一つに歯が浮く症状も、前述した歯根膜の血行不良によって起こるのです。
また風邪を引いたり体力低下が見られるときに抵抗力・免疫力が落ち、歯が浮いた感じになることがあります。
ストレスや疲労の場合も、血行不良を起こすだけでなく、体の抵抗力も低下させることがあります。

対処方法:休養が大切

こういったことを防ぐためには、まず第一にストレスを解消し、疲労をとることが大事です。
もちろん虫歯や歯周病の疑いがあるなら、早めに治療することをおすすめします。
まず無理せず、十分に休養とるようにしましょう。
血行不良により歯が浮いたときは、セルフケアとしてはブラッシングをしっかりとして歯肉マッサージを行い、血流を良くすることで症状が治まってきます。
また運動したり、歩いたりして体全体の血流を良くすることも効果的です。

~歯ぎしり~

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歯が浮く原因の1つとして、歯ぎしりが挙げられます。
歯ぎしりをすると、過剰な力によって歯は左右に大きく揺さぶり、荷重を大きくかける事になります。
その時に歯根膜が引っ張られたり、のばされたり、負荷がかかりすぎてうっ血してしまい、それで歯が浮く感じがするのです。

歯ぎしりの3タイプ

①~グランディング~

上下の歯をギリギリこすりあわせるもの。(臼磨行動といいます)一般的な歯ぎしりと呼ばれています。

②~クレンチング~

歯ぎしりではなく、音をたてずに歯をくいしばり、かみしめる力が過剰にかかる行動。

③~タッピング~

咬んだ歯をそのままこすり合わせず、上下の歯をカチカチと合わせる行動。

これらの3種類を総称して「ブラキシズム」といいます。
歯ぎしりは無意識に行っていることが症状として多く出ます、特に寝ている間(不随意運動と言います)に見られます。
本人も気づかれずに行っている場合もあるので、長期間にわたって歯ぎしりをしている事があります。
また実際は寝ている時だけでなく、起きている時にも無意識下で歯ぎしりを行っていることがあります。なので気を付けなければいけません。

【原因】

歯ぎしりの原因はまだはっきりと限定できるものはわかってはいないのです。多くはストレスによるものとは言われています。
また睡眠の質にも関連がありますが、その不随意運動の中、深い眠りの時は筋肉動作が抑制されるのですが、浅い眠りになると、その抑制が解け、口腔内筋が通常より過剰に動き始めるため歯ぎしりが起こりやすいのです。
このストレスの他にも、飲酒、喫煙も眠りを浅くすると言われています。
また睡眠時無呼吸症候群や逆流性食道炎なども眠りが浅くなります、そのため歯ぎしりをしやすくなると言われています。

【症状】

歯ぎしりは、歯に対し過剰な荷重で、動かしてしまうだけでなく、顎や頭の筋肉も酷使します。
そのため歯が浮くだけでなく、肩こり、顎の痛みなどさまざまな症状があらわれます。
また、顎関節症や歯周病を悪化させる危険性もあるのです。

歯ぎしりを毎日繰り返していると起こりやすい症状が

※奥歯の咬み合わせ部分にあるでこぼこがすり減る、
※歯自体が割れてしまう
※歯自体が折れてしまう
※治療後の差し歯や詰め物も破損、もしくは外れたりする
こういった症状を未然に防ぐため、歯科医院でチェックしてもらう事が大切です。

【治療法】

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まず、歯ぎしりに対しての治療法として挙げられるのがマウスピースです。
夜寝る時にナイトガードと呼ばれるマウスピースを装着し、歯にかかる荷重負担を軽減させます。
歯ぎしりの原因はストレスである場合が多く、ストレスを軽減させる事も大切です。心と体をリラックスさせましょう。

【全身疾患との関係性も否めない】

逆流性食道炎や、全身疾患による歯ぎしりも考えられます。
たかが歯ぎしりと思わずに、しっかりと診察を受け、対処していくことが大事なのです。

関連記事:歯ぎしりのメカニズムとマウスピースの必要性

~食いしばり~

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通常、口を閉じている状態で上下の歯は触れ合っていません。
ところが状況により気づかないうちに力が入り、食いしばっていることなどがあります。
この時、強い力で歯と歯が接触しつづけ、歯根膜にダメージを与えてしまい、歯が浮く感覚になるのです。

例えば、
パソコンなどを集中して使用している時
運転中
通勤時電車に乗っている時
スポーツをしている時
ゲームなど趣味に没頭している時、などなど・・・・。

またこれらはストレスによっても起こる事もあり、知らずに食いしばっていることがあります。
そして食いしばることで、より一層筋肉が緊張し、頭痛、肩こりなどを引き起こしてしまいます。

【対処法】

まず、無意識に食いしばってしまっている事に気が付くのが大事です。
知らないうちに食いしばっていることが多く、意識的にリラックスさせる事が大切です。
その時は、頬を緩め、奥歯を離し、眉と眉の間を離すよう意識してみてください。自然と緩んだ状態になります。
症状が強い場合は、歯科医院でマウスピースを作成し負担を軽減させる必要があります。

関連記事:スポーツ用マウスピースの重要性とその効果

~歯周病~

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歯周病とは簡単に言えば口腔内の細菌感染症です。
歯みがきがきちんとできていない状態で、知らずに放っておくと歯周病菌が歯ぐきと歯の間から入り込みます。
すると、歯ぐきに炎症を起こします。歯肉炎から歯周病へと悪化し、この炎症のために歯が浮いたような感じがするのです。
特に疲労が蓄積しているときは、体の抵抗力免疫力が落ち、浮いている感じが出やすくなります。

【治療法】

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①プラークコントロールの徹底

歯周病の治療の基本は歯磨き、そして歯科医院での定期検診によるプラークコントロールです。
細菌のかたまりの歯垢(プラーク)をいかにしっかり除去し、付着させないかがポイントとなります。
しかしやはり個人差があり、歯みがきをしているにもかかわらず、磨き残している場合があります。
どの部分が磨き残しやすいのか、どうやったらきれいに磨けるか。
その人によってポイントが違いますので、そこで歯科医院での定期検診チェックが必要なのです。

②歯石除去

プラークコントロールができてくると、歯ぐきが締まります。
この状態からようやく歯石を取ることができます。歯根部分(歯の根っこの部分)まで歯石が付いている場合も、その表面がしっかりきれいにになるまで歯石除去をすることが大事です。
歯石も細菌の凝集体です。そこから更に細菌が入り込み毒素を出し続けますので、きれいに取り除くことが必要なのです。

~神経を取った治療の後~

虫歯が進行してしまい、それが神経まで炎症が及んだ場合、その神経を取らなければいけなくなります。
歯はその神経をとると、その刺激により歯根膜に血液やリンパ液が集まり、悪い状態を回復させようとします。

そのため歯根膜は厚くなり、歯が浮く感じがするのです。

【神経をとってから、歯が浮くような状態が長引くようであれば注意が必要】

歯の構造

通常、神経を取った歯が浮く状態は細菌によるものではなく、また一過性のものが多く、2~3日、長くても1週間くらいで治まります。
もし歯が浮く状態が長引いたり、痛みが出ている場合は、他の原因が考えられます。
その場合、歯科医院にて検査をしてもらい、しっかりと原因をつきとめることが必要です。
~根っこ先端に膿がたまっている~

虫歯を放っておくと歯の内部(根管内)まで感染します。すると神経は死んでしまう事があります。
また既に神経を取って、根っこの治療が終わっている歯でも、様々な原因で再感染することがあります。
この時、根っこの先に膿の袋ができる場合があります。これを歯根嚢胞と言います。

◇膿の圧力で歯が押し上げられる◇

歯が浮く感じがするのは、膿が袋の中溜まり、圧が高まり歯を押し上げようとするためです。
この膿の袋を歯根嚢胞(しこんのうほう)といいます。
歯根嚢胞は急速に発達しません。
何年も放置する事により大きくなってしまい、治療しづらい状態になることもあります。

◇体力が落ちて免疫力が低下している時は感染が一気に加速する◇

普通は痛みがないことが多く、しかし、疲労や風邪、体の抵抗力や免疫力が落ちている場合、感染が一気に加速します。
この時の痛みは非常に激しい痛みを伴います。ですから、こういった事を避けるため、たとえ痛みが無くても、早期治療を行う事が必要なのです。

【治療法】

①根管治療

根っこの中の治療のことです。
歯根嚢胞が比較的、小さい時に行います。
歯やかぶせ物、詰め物などを削り、歯の根っこの中から膿を出します。
痛み、炎症などが治まった時点で、根っこの中をきれいにし、無菌状態で充填します。
そして、再度かぶせ物や詰め物を入れるのです。

②歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)

歯根嚢胞を直接取り除く治療です。
嚢胞が大きくなってしまって、根管治療が難しいと判断された場合や根管治療だけでは炎症が治まらない時に行われます。
麻酔をし、歯ぐきを切って、骨を削り、歯根嚢胞を外科手術にて取り除きます。

この時、原因となった根っこの先端部分を除去する事も必要になります。
細菌が入らない様にし、切り開いた歯ぐきを縫合します。
嚢胞自体を取り除くので、再発の可能性は低いです。

しかし、どうしても治療ができない場合、歯を残すのが難しい状態の場合は抜歯になりますので、早めに歯科医院で検査を受けましょう。

~固いものを噛みすぎてしまった場合~

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固いものや同じものを食べ続けると歯が浮いた感じがしてきます。
これは歯に圧力が加わり続けたことで、歯根膜がリラックスできない状況が続き、ダメージを受けた状態になってしまうことが原因です。

◇ダメージを回復させるために、体液が集まってくる◇

身体も同じですが、ダメージを受けると回復させるために歯根膜に血液やリンパ液が集まってきます。
それが理由で歯根膜は厚みを増し、歯が浮いた感じがするのです。
固いものを食べ、歯やあごを使いすぎて酷使し過ぎたと思ったら、安静にしておくことが大事です。
歯が浮く症状が長引いたり、痛みが強く出たりしたら、他の原因が考えられます。早期に診察を受けましょう。

~まとめ~

歯が浮く原因はこの7つをまずは抑えておけば安心です。
違和感が長続きする場合は、何か他の原因が考えられますので、まずは歯科医院で相談してみてください。

今回のテーマはお役に立つものでしたでしょうか?
しおばら歯科医院は、また随時アナタのお口の健康に役立つ歯科情報をお届けしていきます。
長い文章を最後までお付き合い頂き、ありがとうございました!

~虫歯が無いのに歯が痛い!三叉神経痛、その原因と治療 ~

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虫歯ではないのに歯が痛い・・・。
そんな不思議な症状に悩む方々はいませんでしょうか。

色々な歯医者に行っても原因がわからない。
もしかすると、それは「三叉神経痛」による症状が原因かもしれません。

この言葉は、中々聞き覚えのない方もいらっしゃるかと思います。
実はこの症状、「三叉神経」という神経の位置が関係する事により歯に大きな影響を及ぼしてしまうことがあるのです。
そのため虫歯がないのに歯に疼痛を感じる。この「三叉神経痛」の疑いも出てくることがあります。

よって今回は、歯科治療に関わりの大きい「三叉神経痛」についてです。
この「三叉神経」というものについてご紹介したいと思います。

~三叉神経痛~

虫歯は無いのに歯が痛い場合、

○歯ぎしり、食いしばりにより歯に大きすぎる荷重がかかっている
○知覚過敏

など様々な原因が考えられます。
しかし「三叉神経痛」は、これらの症状とは痛みや特徴が大きく異なり、原因も別のところにあります。

また
○虫歯
○歯周病
○歯の負担
○知覚過敏

といったあらゆる疑いが除外されるようなケースは「三叉神経痛」による歯の痛みという診断にたどり着くケースがあります。
ではこの「三叉神経痛」とは具体的にどういった症状なのでしょうか。

①「三叉神経」とは

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まず「三叉神経」というものはどのような神経なのかをご紹介します。

「三叉神経」は、脳から顔に下りてくるようにして波及するとても重要な神経であり、顔の左右側頭部(顔の横側)にそれぞれ存在します。
その神経が司るものは痛覚、触覚、冷覚・温覚、などの「知覚」全てであり、顔に痛みを感じたり、皮膚に触った時の感触や冷たさ、温かさなどを感じたりする器官なのです。

つまり顔の皮膚で感じ取るものすべては「三叉神経」の働きで感じているものです。

また「三叉神経」の末端が口の周囲、下顎まで波及しいることから、舌や口を動かすことができるのは、脳からの指示が「三叉神経」を伝達して行われているためと言われています。
よって口を動かして食べ物を咀嚼したり、舌を大きく動かしたりできるのも、「三叉神経」を通して脳から指示を送っているためなのです。

このように「三叉神経」は多くの神経系のなかでも顔の重要な器官を担っています。

②「三叉神経痛」の症状について

「三叉神経痛」とは前述通り、顔の中を通る「三叉神経」という神経が異常な痛みを生じる症状を指します。

その痛みの感じ方は特徴的なものであり、痛みが何分も続いたり(持続性疼痛)、また疼いたり、何もしていないのに突然痛いと感じることなどはありません。
では、どのような痛みなのでしょう?

三叉神経痛は歯を動かしたり、冷たい物を食べたりすると一瞬、強い痛みが走り疼痛が数秒間続いたりします。

この他も顔のどこかしらに触れることで、痛みが走ることがある。
顔を洗ったり鼻をかんだりすると電気が発したようなビリビリする痛みを感じる。
などが特徴的な症状です。

このように口の周囲を触ったり、歯を動かしたりすることで痛みが出るため、「三叉神経痛」を歯痛と誤認してしまう方がとても多いのです。

③三叉神経痛と歯の痛みの違い

虫歯や歯周病といった歯自体の痛みの場合、ズキズキ、もしくはうずうずとした鈍い痛みが数分間、一定以上続きます。
また抜歯後の疼痛とも区別することができ、何もしていない状態でもズキズキ、あるいはうずくような痛みを感じる場合、抜歯をした傷口から出ている痛みと判断できます。
さらに抜歯した場所に何らかの処置をしたことで症状が落ち着けば、抜歯をしたところの傷口が痛いということを断定することが出来ます。

対して「三叉神経痛」の場合、瞬間的な強い痛みを感じそれが数秒程度続き、その後何もなかったかのように痛みは引いてしまいます。
しかし忘れた頃になると、何かの動作をしたことでふたたび強い痛みが走ります。

また季節などによって痛みが変化することもこの症状の特徴であり、ある日突然痛みが落ち着いたり、あるいは逆に痛みがひどくなったりします。
歯の痛みの場合、季節の変化によって痛みに変化はあまりなく、痛み止めでコントロールすることもできます。

「三叉神経痛」の場合でも痛み止めを服用するとある程度痛みの症状を緩和させることができます。ですが、薬が切れるとふたたび同じ症状が繰り返されます。
このように「三叉神経痛」にはそれとわかる特徴的な症状がいくつかあり、自分で痛みを観察して医師に説明し、早く診断をすることができます。

~歯科治療における三叉神経痛の診断および治療~

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「三叉神経痛」は歯に原因があるわけではなく、脳の異常、もしくは血管、神経の状態に問題がある場合などに発症します。
そのため歯の治療をしても症状が変わらないことがほとんどであり、歯科では原因不明とされてしまい、その結果、抜歯することになってしまうことも多くなってしまいます。
しかしそれでも同じ症状が続くと、そこで歯による痛みではないと判断することができるため、「三叉神経痛」と区別するためには抜歯が必要になることもあるのです。

また最近は、インプラント治療を行ったあとに「三叉神経痛」が出るケースが多くなっているようです。

「三叉神経」の末端のひとつは下顎につながっているため、下顎にインプラントを入れたことで「三叉神経痛」が出てしまう可能性は否定できません。
しかしこの時、
インプラントに対する過剰な負荷
インプラント周囲の炎症(インプラント周囲炎)
などに対して、適切な処置をして症状が改善されれば「三叉神経痛」ではないと判断できます。

また先程前述したした「三叉神経痛特有の痛み」を観察することで、患者様自身で「三叉神経痛」の疑いがあることに気づくこともできるはずです。
そしてもし「三叉神経痛」の疑いが強い場合は、大学病院のように大きな病院に症状の相談するようにしましょう。

「三叉神経痛」はMRI検査が有効的であり、脳に異常がないか確認できるとともに、神経の状態も確認することができます。
それにより異常が発見されれば、「三叉神経痛」の原因を特定し確定診断に至ります。

また、ある薬を服用することで「三叉神経痛」と判断できる場合もあります。
それは「カルバマゼピン」という薬です。
てんかんの薬として処方されることがある内服薬です。

この薬は「三叉神経痛」にも有効であるため、これを服用して症状に変化があらわれれば「三叉神経痛」である可能性が高くなります。
このように歯科治療で根本的解決に至ることができない疼痛には、MRIがある大きな病院や原因不明の痛みに対処できる「ペインクリニック」などに相談するようにしましょう。

~悩まずに冷静に相談~

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食べ物を噛んだり冷たい物を食べたりして歯が痛いと感じた場合、多くの方が虫歯といった歯の異常と思われることでしょう。

しかし歯医者では確定診断がされず、痛みも改善されぬままの状態でノイローゼになってしまう方は少なくありません。
しおばら歯科医院では、このような原因不明の痛みにお悩みの方の相談にも親切に応じてさせていただきます。

「三叉神経痛」は、その特徴的症状を見極めることがとても重要で、毎日続くその痛みに諦めてしまわずに冷静に症状を観察して医師、歯科医師に相談してください。

~虫歯から蓄膿症になる?~

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虫歯から蓄膿症になるとは?
鼻と虫歯の関係性は薄いと考える方々は多いかもしれません。

今日は、虫歯が進行すると蓄膿症になるお話をしたいと思います。

 

~蓄膿症とは?~

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蓄膿症とは頬の後ろ側には上顎洞と言う空洞があります、そこに炎症が起き、膿がたまる症状です。
ちなみに蓄膿症は、古くから使用されている俗称で、歯科業界での正式名称は「歯性上顎洞炎」と言います。

 

~蓄膿症は耳鼻科領域の治療じゃないの?~

蓄膿症は鼻炎などが悪化してなるイメージが一般的だと思います。

蓄膿症は、「鼻が原因の場合」と「歯が原因の場合」のものと二種類あるんです。
耳鼻科では、「副鼻腔炎」という名称で、歯科では「歯性上顎洞炎」と言うのですが、どちらも呼び名が違うだけで症状は同じです。

どちらにしても処置は原因を取り除く事が必要なので、
「鼻が原因なら耳鼻科へ」
「歯が原因なら歯医者で」
治療を受ける必要があるのです。
ただ、症状状態によっては耳鼻科、歯科ともに受診が必要な場合があります。

詳細は以前のblogも参考にしてください「上顎洞炎とは?症状とその治療法」

 

~歯性上顎洞炎は上の奥歯(大臼歯)の虫歯から起こる~

①虫歯の進行が原因

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虫歯が進行して上顎洞に感染を起こしてしまった症例

歯が原因の蓄膿症のほとんどが、奥歯の虫歯や歯周病が重度に進行し、放置した事により起こります。
虫歯や歯周病を放置したことで、上顎から副鼻腔に細菌が繁殖し、膿がたまっていきます。

下顎には副鼻腔との繋がりはありません。下の歯が原因で蓄膿(歯性副鼻腔炎)になることはありません。

②症状について

歯性副鼻腔炎の症状は、

・鼻づまり
・粘り気のある黄色やチョコレート色の鼻水が出る、
・頬の痛み
・頭痛
・鼻から異臭がする
・物を嚙むと痛みが走るなど・・・

炎症を起こした患部を中心に炎症が起き症状が起こります。

 

~インプラントを原因とする歯性上顎洞炎も~

インプラントを施術する際に、骨の厚みが足りない事があります。
上顎の場合は、上顎洞と骨の間に人工骨を足して骨の厚みを作り、インプラントを入れれるようにします。

この外科手術の際に上顎洞粘膜が損傷し、そこから細菌感染を起こし「歯性上顎洞炎」になることがあります。
インプラント手術は、やはり経験値が低いとこういうことで起こるので、歯科医師選びも慎重にならなければいけませんね。

インプラントは非常に廉価なものから高額な所まで様々増えましたが、手術をする歯科医師・使用するインプラント素材も注意してみなくてはいけません。

 

~歯性上顎洞炎、その治療方法~

歯性上顎洞炎の治療は、

①主に歯の根管治療、歯の根の先にある膿を抑えます。
②抗生剤の服用もして頂きます。
③痛みが強い場合は、痛み止めの薬も処方します。
④時には、抜歯をすることで改善することもあります。

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抜歯をしなければならなかった大臼歯。 根がかなり感染をおこしているのがわかる。

 

~重症化する歯性上顎洞炎の危険性~

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根っこのさきから感染を起こし、上顎洞炎となり抜歯適応になった症例

全てとは言えませんが、歯性副鼻腔炎は重症化すると病院で手術と言う事例もあります。
あまりにひどい症状になると、原因となる歯を抜歯し、上顎洞に穴を空けて膿を取り出し、洗浄する手術が必要になるのです。

一応、豆知識ですが、

歯性上顎洞炎の手術は、難しい手術ではないため、失敗する等といったことは聞いたことがありません。
しかし、全身麻酔を使用し、術後は1週間程度の入院が必要となります。
そうならないためにも異変に気づいたら、早めの診察をしてこうならないようにしましょう。

~まとめ~

「上顎洞炎」「蓄膿症」「副鼻腔炎」はほぼ同義語と言っていいでしょう。
それが、「歯」が原因なのか、「鼻」が原因なのか、それとも同時なのかによって治療のアプローチが変わります。
なので、気になる方々は早期の受診をおすすめいたします。

~舌の痛みを放置してはいけない。アナタのしらない舌の痛み、その原因~

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今回は舌が痛い原因や治療法をご紹介いたします。
ドライマウス、ストレス、様々な原因で起こる舌の痛みに多い症状をなるべくわかりやすい解説でご紹介致します。

~舌が痛い(舌痛症)患者さんは実は多い~

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「舌が痛い時がある・・・」でも、傷をつけたような覚えはない・・・。「何なんだろうこの痛みは?」と言う経験はないでしょうか?
実はこのような舌の痛みをおっしゃる患者さんは、皆さんが思っていられるよりも意外と多くいらっしゃいます。

~口の中の悩み、一番多い悩みが「舌の痛み」~

舌に異常がある場合、受診する病院は歯科口腔外科、耳鼻科が適切な受診科となります。
実際に口腔外科に所属していた者としては、舌が痛いというのはいくつかある口腔内の痛みの中では非常に多い訴えの1つです。
このような「舌痛症(ぜっつうしょう)」と私たちは呼んでいる症状はその痛みの原因は様々な理由が挙げられます。

~知らない間に症状が進んでいる舌の痛み~

①物理的な外来刺激

舌の痛みの原因でまず最初に考えられるのは物理的な刺激です。
虫歯、入れ歯、最近治して入れた詰め物などの辺縁が引っかかったりする為に、舌に痛みが出るという事が多いです。
この原因の場合、この原因を取り除けばいいので、通常の歯科の治療として、詰め物、入れ歯、調整や治療をすれば改善されます。

②アレルギー的原因

詰め物の金属や入れ歯の金属にアレルギーが出てしまい、それが痛みとして症状が出てしまう場合もあります。
専門外来などがある病院ですと、詰め物に対してアレルギーがあるかどうかを検査する科があります。
そういったところへ受診して、アレルギーがあるようであれば、その詰め物(口腔内の金属)を除去するといったことが必要になってきます。

③カンジダ菌(カビ菌)

舌痛症の中でも、時にカンジダという菌による痛みがあります。
これには色々な理由がありますが、口腔内がしっかりとしたケアがなされていないと出てくる菌です。
この対処方法はカンジダ菌を退治することで痛みが取れることがあります。

④その他

亜鉛や鉄分、ビタミンB群など、特定の栄養素が足りないと舌痛症が発症することもあります。
この場合はそういった栄養素を多く含む食材を摂取するように心がけたり、サプリメントなどで補う事で痛みが和らいでくることがあります。

~食材例~

●亜鉛→牡蠣 牛肉
●鉄分→納豆 レバー あさり
●ビタミンB群 (効率的に摂取するには煮たり蒸したりする調理法が損失率が少なくすみます。)
※ビタミンB1→豚肉・うなぎ・たらこ・ナッツ類
※ビタミンB2→豚レバー・鶏レバー・牛レバー・うなぎ・牛乳
※ビタミンB6→かつお・まぐろ・牛レバー・さんま・バナナ
※ビタミンB12→牛レバー・鶏レバー・カキ・さんま・あさり・にしん

~口腔内乾燥による舌の痛み~

口腔乾燥症(ドライマウス)と呼ばれる疾患の一つです。
口腔乾燥症も舌の痛みを引き起こします。口腔乾燥症とは口の中が乾いてしまう症状のことですが、これにも様々な理由があります。
※全身疾患がある場合
※加齢
などから原因不明のものまであり、それぞれ対処方法は異なります。

この疾患は近年、女性に急増中の現代病です。

状態:最近では口腔乾燥症は「ドライマウス」とも呼ばれ、女性に多い病気として注目されてきていますね。
ドライマウスの方のためのマッサージ等もありますよ。ストレスなどが原因だとも言われています。

~地図状舌~

地図状舌

地図状舌といって、地図のように舌に模様が現れて舌の痛みを伴うこともあります。
これはまだしっかりとした原因が判明されていない疾患です。
単純に疲れや体の不調で起こることが多いといわれています。

~溝状舌~

溝状舌

これは先天性のものであったり、傷や感染で起こるものといわれています。
この二つの状態の場合は治療の必要性はないといわれています。

※地図状舌、溝状舌には特に治療は必要ないと言われております。
今回紹介したものの他に、ウイルスによる感染や、舌炎で炎症を起こして赤く腫れて痛みが出ることもあります。
この場合には主に対症療法(うがいをしたり塗り薬を塗ったりする)が適切です。

~まれに舌癌の予兆~

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まれに舌癌が原因で痛みを起こしたり、前癌状態である(まだ癌ではない)時に痛みを伴う事もあります。

白板症、前癌状態にある兆候です。

白板
紅板症、半数ぐらいが癌化する。

紅板症
扁平苔癬(へんぺいたいせん)、稀に癌化する事もあります。

~心因的な痛み~

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現代人の多くが抱えている心の病気が舌の痛みにつながります。
実は非常に多い原因の一つで、舌痛症は精神的なものが多いといわれています。
痛みが出るまで舌なんてチェックしたことなかった、という方がほとんどです。
痛みがあって舌を鏡で見てみたら、ぶつぶつがたくさんあった!癌かもしれない!(正常な状態です)と思ってさらに痛みが出る場合などは、
更年期障害などで心因的に痛みがひどくなる場合、ストレスが多いとき痛みを感じる方が多く見られます。

~まとめ~

以上のとおり、舌が痛いといってもたくさんの原因と対処法や予防法(はあまりありませんが)があります。
軽度のものであったり、重大な問題が起こったり、命にかかわったりすることもありますし、どの場合でも保険が適用されますので、

痛みがある場合は一度受診したほうがよいでしょう。

今回のテーマ、「骨粗しょう症と歯科」です。
骨粗しょう症と歯科治療との関連性についてお話します。
皆さん、骨粗しょう症とはご存知でしょうか?
骨粗しょう症とは、骨の量が減り、骨の中の構造がスカスカになってしまっている状態です。

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手首や背骨、腕の付け根、太腿(ふともも)の付け根などが骨折しやすくなります。
骨粗しょう症とは骨密度が若年成人平均値の70%未満の事を言います。
どれくらいの方が骨粗しょう症かというと、割合で言うと、50歳以上の女性のおよそ3人に1人は骨粗しょう症だそうです。

骨には、骨の「リモデリング」という仕組みがあります。
表面で破骨細胞という細胞が古くなった骨を吸収(壊して)し、骨芽細胞という新しい骨を作る細胞が骨を作って、骨作るというサイクルになるというものです。
これを「骨のターンオーバー」いいます。

さて、そこで骨粗しょう症の原因には次のものがあげられます。

①加齢

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50代になると、腸から身体へのカルシウム吸収が衰えてきます。
そうすると、骨を作るカルシウムが不足します。骨の吸収と形成のバランスが崩れ、骨粗しょう症になってしまいます。

②閉経、更年期障害

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女性ホルモンに「エストロゲン」というものがあります。これは骨の吸収をゆるやかにする効果があります。
閉経するとこの「エストロゲン」のホルモン分泌が低下し、そのため骨吸収が進行し、先に述べた「骨のリモデリング」のバランスが崩れてしまうのです。

③ダイエットでの障害

身体のカルシウムはその割合、約90%が骨にあります。そして残り数%は血液中にあります。
ダイエットをすると、血中のカルシウム分が不足します。すると骨のカルシウムが血液中に出てきます。
骨を作るカルシウムが不足して、バランスが崩れてしまいます。

④ほかの病気による骨粗しょう症

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代表的なものは
○パセドウ病などの甲状腺機能亢進症。
○関節リウマチ・糖尿病。
○胃切除後、ステロイド薬の長期服用などがあります。
では、骨粗しょう症の治療の方法はどんなものがあるのか?
骨粗しょう症の治療は、大きく3つに分別されます。

①薬物治療
②運動治療
③食事療法 などが挙げられます。

 

骨粗しょう症の薬の種類

そこで、歯科治療と関係があるのがこの①の薬物治療です。
骨粗しょう症の治療で使われる薬には、大きく分けて3種類あります。

一つ一つご説明させていただきます。

①骨に溶出する抑える薬

・SERM(サーム)製剤

骨に対して女性ホルモンのエストロゲンと同じような働きをする薬で、骨吸収を防ぎます。
骨密度を上げ、骨折を減らす効果が認められています。1日1回飲みます。

・ビスホスホネート製剤

破骨細胞の働きを強く抑え、骨密度を上げる薬です。
骨折を減らす効果が認められ、骨粗鬆症治療に広く使用されています。
毎日飲む薬と週1回飲む薬、4週に1回飲む薬、4週に1回注射する薬があります。

②骨造りを促す薬

・副甲状腺ホルモン薬

骨形成を促進して骨量を増やし、骨折を減らす薬です。
専用のキットを用いて1日1回自己注射する薬と、週1回病院・診療所で注射する薬があり、
それぞれ使い続けられる期間が異なります(1日1回自己注射する薬は最長24か月間、週1回病院・診療所で注射する薬は最長18か月間)。
複数の骨折が起こってしまっている患者さんや、骨密度が著しく減少している患者さんなど重症の患者さんに使われます。

③その他

・活性型ビタミンD3製剤

カルシウムやリンの腸管からの吸収を高めるとともに、骨の代謝のバランスを整えます。
骨密度を上げる力は強くありませんが、骨折を減らすという研究結果があります。
転倒予防効果があることや、重症な場合にビスホスホネート製剤との併用で、より高い骨折抑制効果があることが報告されています。

 歯科治療における注意点

これらの薬の中で注意が必要なのが「ビスホスホネート系製剤」です。
ビスホスホネート系製剤を使用中の方、使用した事がある方が抜歯など外科処置をすると、顎骨壊死を起こす可能性があります。

顎骨壊死とは、あごの骨が溶けたり、それに伴う歯肉腫脹、疼痛、排膿(感染)、歯の動揺、歯肉形成されず顎骨の露出などが起きてしまいます。
この薬を飲んでいる方が、抜歯・インプラント・歯周外科など、顎骨に刺激が加わる治療をするときは、
一緒に飲んでいる薬や、薬の服用期間によっては、飲むのを中止してもらう場合もあります。必ず、歯科医院に伝え、かかりつけ医の先生に相談しましょう。

まとめ

骨粗しょう症になると、骨が脆くなり、骨折しやすくなります。
「ビスホスホネート製剤」での治療を行っている方は、歯科での治療に注意が必要です。必ず、服用薬をチェックしてもらってください。
もし骨粗しょう症の薬を飲んでいる場合は、お薬手帳を一緒にお持ちください。
※現在、日本で取り扱われているビスフォスフォネート製剤一覧

(クリックで拡大できます)

ビスフォスフォネート製剤一覧

~歯の詰め物が取れた。そんな時に歯医者に行くまでやるべき事、やっちゃいけない事。~

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「歯の詰め物が取れた!すぐに診てほしい」
そんなご依頼の連絡を受ける事は多々あります。
しかし、すぐには歯医者にいけないし、歯医者を予約しても1週間先になる、なんてこともあるかと思います。
そんな時、歯医者に行くまでの間何に注意をすればいいのか、「詰め物が取れた時の対処法」を解説しようと思います。

ここで間違ったことをしてしまうと治療期間が伸びたり、治療費がよりかかるなんていう事もあります。
よく起こる事例から、間違って飲み込んでしまった時の対応まで記載させていただきます。
ぜひ、参考にしてみてください。

~歯の詰め物が取れた時やってはいけない3項目~

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①詰め物を自分で無理に戻さない

取れた詰め物を自分で無理に戻さないでください。
取れた詰め物が戻してしっかり収まってくれればいいのですが、
適合があまりいい状況ではない中で、噛んだりすると、詰め物の変形、もしくは自身の歯が割れたりなど、噛み合う歯が欠けたりする事があります。

また、取れた詰め物を無理に戻し、食事などをすると間違って飲み込んでしまう(誤飲)こともあります。

特に気を付けていただきたい事は、お子さんや高齢者の方は気管に入ってしまう事です。
これは「誤嚥」といい、非常に危険な状態になります。特に注意が必要です。

こうした理由から、取れた詰め物を無理に戻さない方がいいと覚えておいてください。

②自分で接着剤で取れた詰め物をつけない

取れた詰め物は必ず自分で接着剤で付けないようにして下さい。
当院でも、患者様で何人かいらっしゃります。
接着剤は歯科専用のものではありません。それで付けてしまうと、歯と詰め物の間に厚みができ、隙間もできてしまうのです。
そして、そこから虫歯に発展し進行します。

また、接着剤で付けてしまった場合、歯医者ではその詰め物を削り取らなくてはなりません。その時には歯自体も削らなければいけない必要もあります。
絶対に取れた詰め物を接着剤で付けないようにしてください。

③取れた詰め物はティシュペーパーにくるんで保管せず、小さい容器に保存する

よく取れた詰め物をティッシュペーパーにくるんでご持参される方々もいらっしゃいます。
ティッシュペーパーなどでくるんで置くと取れた詰め物が細い、小さいものであれば、ちょっとした力で変形します。

また、ティシュペーパーにくるんで置いて、そのまま無くしてしまったという方が数多くいらっしゃいます。
ご家族の方々などが間違えて捨てる、なんてこともありますね。

取れた詰め物は小さいタッパなどの容器に入れ、診療の時に持っていくのがベストです。

~詰め物が取れてから受診するまでの注意点~

①歯磨きはしっかりと行いましょう

歯の構造

詰め物が取れてしまった歯は、よりしっかり歯磨きをしましょう。
取れた部分の表出した歯は柔らかい象牙質(硬いエナメル質の下にある部分)が露出し、虫歯になりやすくなっています。

また、取れた部分の歯にはその分、隙間ができてしまってます。
そこに食べカスが詰まり易くなっています。詰まった食べカスが何層にも重なり(食片圧入といいます)、歯茎を圧迫し歯茎が腫れてしまう事があります。
詰め物が取れた歯をしっかり歯磨きし、虫歯と歯周病を予防する必要があります。

②取れた歯をなるべく使わない

詰め物が取れた歯では極力、その部分で噛まないようにして下さい。
硬いものは特に噛まないで下さい。

詰め物が取れてしまった歯はかなり脆くなりやすいです。
歯が割れることがあります。
前回、blogで書きましたが、成人男子の奥歯にかかる力(咬合力)は平均60kgです。
この強い力が詰め物の取れた残っている歯質の細い部分にかかると簡単に割れてしまったりもします。
しかも、その割れ方によっては、神経の処置(抜髄)が必要なこともありますし、垂直に根まで割れれば歯を抜く(抜歯)まで必要なことがあります。

詰め物が取れた歯では強く噛まず、速やかに受診しましょう。

③熱い、冷たいなど温度差のあるものを摂取しない

熱いお茶、冷たいビール、ジュースなど温度差がある飲み物や食べ物は避けましょう。
詰め物が取れた部分は神経に近いため、知覚過敏になる可能性があり、痛みを感じやすくなります。

前のblogでも前述しましたが、取れた詰め物が神経のある歯の場合、詰め物が取れると象牙質が露出しています。
象牙質には神経につながる管(象牙細管というもの)があり、この象牙細管を伝わり痛みを歯の神経(歯髄)に伝えやすくなります。

なるべく、詰め物が取れた歯の反対側で熱いもの、冷たいものを飲食しましょう。

~詰め物が脱離した時、歯医者に行く時に知っておきたい2つ~

①(補綴物)詰め物

詰め物が取れ、歯医者に行くまで2週間以内なら虫歯は進行はそこまでありません。

詰め物が取れても歯医者に行くまで2週間程度なら虫歯は進行しません。
もちろん歯医者に行くのは早期に受診しましょう。

虫歯は徐々に進む病気です。1週間程度では穴が空くような虫歯にはなりません。
平均1ヶ月くらいで初期虫歯が始まり、3ヶ月程度で虫歯が進み、穴が空き始めます。

そして、生えたての歯、神経が無い歯などは、ただ単純に脆くなっているので、早く虫歯が進みます。

いずれにせよ、1,2週間程では虫歯は進行しませんが、歯医者には出来るだけ早く受診しましょう。

②取れた詰め物は容器などに入れて持参し、受診する

詰め物は容器に入れて治療の時に歯医者に持っていきます。

取れた詰め物が金属の物で、早期であれば、虫歯や変形劣化がなければ消毒してそのまま再び付けることができます。

(例)1,2年前に作製した金属であれば、劣化などの程度も低いのでそのままセメントで再び付けることができます。
(例)4,5年前の作製した金属の詰め物で、劣化変形などにより詰め物と歯の隙間から虫歯になって取れた詰め物を再度利用する事はできません。
(例)もし、被せ物が取れた場合、さいど治療が必要となった場合、前歯などはそれが劣化して使えなくとも仮歯としては使用することもできます。

取れた詰め物は捨てずに容器に入れて治療の時に持って行きましょう。

~詰め物が取れてから長期の放置期間が経ってしまったら~

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①約1ヶ月経つと初期虫歯が始まります

歯の詰め物が取れてから約1ヶ月経つと、初期虫歯が始まります。
本来歯の表面はエナメル質(体で1番硬い部分)に守られています。
詰め物が取れた歯の表面は一度治療で削られているので、エナメル質ではありません。

その代わりに詰め物で補っていたのです。

その詰め物が取れる、エナメル質下にある象牙質が直接露出しています。
柔らかい象牙質は虫歯になりやすくなります。もともと虫歯がなければ大きく進行することはありませんが、
初期虫歯が始まっていますので、早期の治療をしないと処置はどんどん大きくいものになります。

②3ヶ月経つと歯に穴が・・・

詰め物が取れて約3ヶ月経つと虫歯が進行します。
そうするとその露出した歯質に穴が空いてきます。

口腔内は酸性、アルカリ性など歯を溶かす条件が多く、象牙細管(象牙質から神経まで繋がっている細い管)から虫歯が進行しやすいです。

細菌が神経まで入り痛みが出ると神経を取る処置が必要になります。
神経が無くなると再生する力などが弱まり、詰め物が取れて3ヶ月も経つと虫歯が進行します。痛みなどの症状が出る前に治療をしましょう。

③半年以上は経つと歯が欠ける

詰め物が取れてから半年経つと、必ずとは言い切れませんが歯が欠ける可能性が非常に高いです。
詰め物が取れた歯は、前述にもしました通り、柔らかい象牙質が多く露出しているため、内側から虫歯が進行して行きます。
残った外側のエナメル質が象牙質の支えをなくし、歯が欠けることになります。

もともと神経が無い歯の詰め物が取れるても痛みは感じません。
再生力も無く、脆い為、虫歯の進行を食い止めることも出来ず、内側から歯質を溶かし続けます。

そうすることで支えをなくしたエナメル質が薄くなり最後に破折してしまいます。
ここまで虫歯が進行すると抜歯をしなくてはならない、ということもあります。

詰め物が取れて長期の間放置すると歯が欠けて、抜歯のような重い処置になります。
その前に必ず受診し、治療を受けましょう。

~まとめ~

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詰め物が取れたばかりは痛みも無く経過することが多いです。
しかし、初期虫歯から始まり徐々に虫歯は進行してきます。

詰め物が取れてから期間が経つと治療期間が長くなり、その分費用も高くなります。

何にせよ、お口の中の不具合があるときは必ず出来る限り早めに歯医者を受診しましょう。

※注意
記載されていることは歯科の範疇で一般的に起こることです。
個体差が有りますので全ての人に共通することとは言い切れません。
詳しくはかかりつけの歯科医院にてご相談下さい。

~口の中のこぶ「下顎隆起」って何?~

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「下顎隆起」というものを聞いた事はありますでしょうか?
口の中にコブ。
それが気になっている方、もしかすると「下顎隆起」なのかも知れません。

今回はその下顎隆起が生じる原因や症状、それに対して手術は必要なのかどうか、対処法までまとめました。

~そもそも下顎隆起とは?~

下顎隆起とは、下顎の骨が局所的に大きくなってしてしまう疾患を指します。
下顎の骨が部分的に活発に成長してしまう疾患とされています。
「下顎骨」と言ってもピンとこない方がおられると思いますが、下顎隆起が生じ易いのは奥歯(小・大臼歯)の内側の部分。

詳しくは前から数えて4~7番目の歯の下の方に「骨」の固い感触を舌で確かめることが出来ます。
下顎隆起は、ちょうどその部分に多く過成長した骨の「出っ張り」と考えると分かり易いと思われます。

~下顎隆起、その特徴と症状~

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下顎隆起の特徴には、
①部分的に骨が肥大する
②奥歯近くの内側骨にに生じ易い
という二点があります。

「こぶ」状に大きくなる下顎隆起の部分の実際の大きさは、約2〜7cm程(症例によって差異あり)であり、歯の1〜2つ分の大きさのこぶ位のイメージすると分かり易いでしょう。

 

~では、実際どんな不都合があるのか?~

こぶ状の出っ張りが出来ることで疼痛が生じることはありません。最初の症状は舌で触る時などに気になる、位の程度です。
しかし、入れ歯を装着している方は注意が必要です。

歯茎に下顎隆起が生じると、「入れ歯」と「隆起部の歯茎」が擦れてしまい、痛みが生じることがあります。
また、その下顎隆起を避けて入れ歯を作成しなければいけない状態ですと、入れ歯の適合も落ちてきしまいます。
その原因で入れ歯が外れ易くなるなどの不都合も生じてしまいます。

 

~下顎隆起の原因とは?~

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下顎隆起とは、単純に言うと良性骨腫瘍に定義されます。
簡単にいえば、「あっても害のない骨」ということです。

あくまで、”良性”腫瘍ですので、ガンなどのように命に直接的に関わる悪性の疾患とは全く異なります。
しかし、下顎隆起の原因には多説あり、

○遺伝的な要因
○過剰な歯ぎしり

など様々な説が唱えられています。

 

~下顎隆起は摘出したほうがいいのか?放っておいてもいいのか?~

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「下顎隆起は手術した方がいいのか?」という質問を多く受けます、しかしこれに対しては一概に一辺倒な答えを出すことは出来ません。
前述の通り、下顎隆起は”良性”腫瘍です。それ自体に強い害が生じることはないのです。

ですから、「入れ歯などを装着に下顎隆起が不具合を生じさせている患者さん」を除いては、特に処置せず定期的経過観察してゆくだけというケースも少なくありません。

 

~入れ歯のためには手術を?~

下顎隆起は比較的に高齢者に生じやすいケースが多いです。
なので、
●入れ歯が合わない
●入れ歯と隆起部分(こぶの部分)が擦れて痛い
といった症状のために手術が必要となるケースも少なくないです。

~「話しづらい」などの場合はどうする?~

痛みの他、「話しづらくなってしまう」というのも下顎隆起の弊害の1つです。
口の中というのは、とても繊細な構造をしています。
また、舌や歯茎の神経はとても敏感で、痛みは無くとも少しでもその構造(下顎隆起など)に変化があると、
「どれだけ気になるか?」という点では、個人差はあれど見た目の変化よりもはるかにその差異を感じるものとされています。

ですので、ほんの数センチのこぶが生じただけで、凄く話しづらくなったと感じ、痛みは無くとも手術を選択する患者さんも中にはおられます。

 

~下顎隆起形成術とは?~

下顎隆起の除去手術は口腔外科の手術の中では比較的簡単なものと言われております。
「全身麻酔」ではなく部分的な「局所麻酔」で行なうことも十分可能です。
『下顎隆起形成術』はその名の通り、下顎の「骨隆起」を入れ歯や会話に支障がないように「形成」し「手術」するのです。

 

~入れ歯が下顎隆起に当たり痛いのですがどうすればいいか?~

下顎隆起の痛みが生じる原因は、主に隆起部と入れ歯が擦れてあたる事にあります。
ですから、その症状である痛みを取り除くには、「下顎隆起」、もしくは「入れ歯」の”あたり”を無くすことが治療の大前提となります。

両者の接触を無くすためには、

①入れ歯の方を削る
②骨の部分(隆起部)を削って(除去)して形を整える

この2つの考え方があります。
どちらを選択するのかは症例によって様々であり、また両者を合わせて行ない痛みが無くなるように入れ歯の調整を繰り返してゆく場合がほとんどです。

 

~応急処置~

○入れ歯と隆起部の接触を避ける

つまり「入れ歯を付ける時間を出来るだけ短くする」ことが効果的です。

 

~下顎隆起は癌にならないの?~

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前述のとおり下顎隆起は癌になりません。
「良性腫瘍」の一種と考えられていますので、それが悪性化することは一般的にははありません。

しかし、「下顎隆起のようで悪性腫瘍である疾患」というものも存在します。
つまりは勘違いして「下顎隆起は悪性ではないから放っておいて大丈夫だろう」と、口の中に生じた骨ではないイボ(腫瘍)を放置しておくことは非常に危険です!
もしも、それが放置したイボが悪性であった場合、治療する時に病変が大きくなり過ぎていて、治療が困難になってしまう場合も考えられます。

下顎隆起とそれに似た悪性腫瘍との診断は専門機関によって行なわれるべきです。
もしも上記した症状(見た目、違和感、入れ歯との擦れ等)があれば、すぐに歯科医療機関を受診し、診察してもらいましょう!

 

~まとめ~

●下顎隆起自体は良性です。癌化する心配はありません。
●下顎隆起と間違いやすい悪性腫瘍もあります。、気になる方は医療機関を受診すること。
●入れ歯をしている方は密着間が落ちてしまうので処置が必要。手術以外にも、入れ歯調整などで改善される場合もある。

いかがでしたでしょうか?
ご自身のお口の中に何か違和感を感じるような事があれば、「下顎隆起」を一つ参考に検診を受けてみてもいいかもしれませんね。

~自分は麻酔注射が効きやすい?効きにくい?~

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歯科の麻酔でよく使われる「浸潤麻酔」というものがあります。
患者様の中にはこれがなかなか効果が効かないという方や、逆にすごく効きすぎて治療後もしびれがなかなかとれなかったという方、様々いらっしゃいます。

これはご自身の体質や、歯科医師の注射の技術を不安に感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、「浸潤麻酔」の“効く・効かない”は、患者様ご自の体質や歯科医師の麻酔の技術だけで決まるものではありません。

よく聞くパターンは
「私はお酒をよく飲むので麻酔が効きにくいです。」
「私はもともと家系的に麻酔が効ないんです。」など、さまざまな理由を思ってる事があります。

実は、この正解を端的に申し上げれば、患者様の「骨質」次第で決まるものなのです。

①骨質の違い「皮質骨の厚み」

麻酔をよく効かせるには、歯の根っこを支え取り囲んでいる「歯槽骨」の中に浸潤麻酔をしっかりとしみ込ませ、歯の神経に十分に到達させる必要があります。
ところが、歯槽骨の表面は「皮質骨」という性状になっており、簡単に言えば「硬い骨」でおおわれています。
この部分がガッチリとしている硬く厚みのある患者さまの場合、浸潤麻酔はなおのこと骨の中ににしみにくく、なかなか効かないのです。

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しかし、歯槽骨がガッチリとしているということは、歯の支えがしっかりとしているということです。患者様にとって歯の健康上とても良好な事で、とても喜ばしいことです。

浸潤麻酔の効き目にとっては少し損ですが、デメリットではありませんので「仕方がないな」と思っていただければありがたいです。

②麻酔部位が炎症を起こしている場合

もうひとつ、麻酔が効きにくいケースがあります。それはひどい炎症が起きている場合です。
麻酔薬は体の平均的なpH値、つまり中性から少しアルカリ性の環境でよく効くようにできています。
しかし、炎症が起きると乳酸が局所的にたくさん溜まり、限局的にそこは酸性の環境になります。
こうなってしまった時、アルカリ性の麻酔の注射をしても、酸性の部位で「中和」されてしまい、効力が落ちてしまうのです。
「通常なら効くはずが、まだ効いてこない」というこのような場合、麻酔量の注射を追加(決められている麻酔量の範囲で)せざるを得ません。

これを避けるには治療がつらくなるので、一番は炎症がひどくなってしまう前に、早めに受診し、治療を早めに心がけましょう。

炎症がひどい場合は、まずはお薬などで消炎処置を行い麻酔の効きやすい状態に戻す事もあります。

麻酔を一つとっても「早期発見早期治療」がより楽に治療を受けれるとても大事なことなのです。
なので、普段の定期検診が大切になります。
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