豆知識
麻酔の効きやすい人、効きにくい人
~自分は麻酔注射が効きやすい?効きにくい?~
歯科の麻酔でよく使われる「浸潤麻酔」というものがあります。
患者様の中にはこれがなかなか効果が効かないという方や、逆にすごく効きすぎて治療後もしびれがなかなかとれなかったという方、様々いらっしゃいます。
これはご自身の体質や、歯科医師の注射の技術を不安に感じられる方もいらっしゃるかと思いますが、「浸潤麻酔」の“効く・効かない”は、患者様ご自の体質や歯科医師の麻酔の技術だけで決まるものではありません。
よく聞くパターンは
「私はお酒をよく飲むので麻酔が効きにくいです。」
「私はもともと家系的に麻酔が効ないんです。」など、さまざまな理由を思ってる事があります。
実は、この正解を端的に申し上げれば、患者様の「骨質」次第で決まるものなのです。
①骨質の違い「皮質骨の厚み」
麻酔をよく効かせるには、歯の根っこを支え取り囲んでいる「歯槽骨」の中に浸潤麻酔をしっかりとしみ込ませ、歯の神経に十分に到達させる必要があります。
ところが、歯槽骨の表面は「皮質骨」という性状になっており、簡単に言えば「硬い骨」でおおわれています。
ところが、歯槽骨の表面は「皮質骨」という性状になっており、簡単に言えば「硬い骨」でおおわれています。
この部分がガッチリとしている硬く厚みのある患者さまの場合、浸潤麻酔はなおのこと骨の中ににしみにくく、なかなか効かないのです。
しかし、歯槽骨がガッチリとしているということは、歯の支えがしっかりとしているということです。患者様にとって歯の健康上とても良好な事で、とても喜ばしいことです。
浸潤麻酔の効き目にとっては少し損ですが、デメリットではありませんので「仕方がないな」と思っていただければありがたいです。
②麻酔部位が炎症を起こしている場合
もうひとつ、麻酔が効きにくいケースがあります。それはひどい炎症が起きている場合です。
麻酔薬は体の平均的なpH値、つまり中性から少しアルカリ性の環境でよく効くようにできています。
しかし、炎症が起きると乳酸が局所的にたくさん溜まり、限局的にそこは酸性の環境になります。
こうなってしまった時、アルカリ性の麻酔の注射をしても、酸性の部位で「中和」されてしまい、効力が落ちてしまうのです。
「通常なら効くはずが、まだ効いてこない」というこのような場合、麻酔量の注射を追加(決められている麻酔量の範囲で)せざるを得ません。
これを避けるには治療がつらくなるので、一番は炎症がひどくなってしまう前に、早めに受診し、治療を早めに心がけましょう。
炎症がひどい場合は、まずはお薬などで消炎処置を行い麻酔の効きやすい状態に戻す事もあります。
麻酔を一つとっても「早期発見早期治療」がより楽に治療を受けれるとても大事なことなのです。
なので、普段の定期検診が大切になります。
なので、普段の定期検診が大切になります。
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