~歯を失って放置する事による起こるトラブル~
~食べ物を小さく噛みけれず、消化器官に負担をかける~
歯がなくなると食べ物を噛み切る、すり潰す、などの「咀嚼」ができなくなります。
お口の中が全く歯を欠けている事なく健康な状態の噛む力を100%とすると、下の奥から2番目の歯が1本が無くなっただけで、
その咬合力は30%落ちると言われています。
うまく噛みきれないまま飲み込んでしまうと、歳をとって胃腸等の消化器官が弱ってきた体にかなり負担をかけてしまいます。
~歯を抜いた周囲の歯が動いてくる~
歯がなくなると、その周囲の歯は、その欠損部分に向けて前と後ろの歯は倒れ込み、上や下の歯は伸びてきてしまいます。
そうすると、いざ治療をしようと思った時に、動いてしまった歯が支障となり、部分入れ歯が作れなかったり、動いてしまった歯を大きく削ったり、神経を取らなければいけなくなったりします。
~歯を抜いた周囲の歯が歯周病や虫歯になる~
咬合によって歯はお互いにこ擦れ合って、自然に汚れが取れる部分もあります。
歯が一本なくなるだけでも、周囲の歯がうまく咬むことができず、汚れが残り、虫歯や歯周病に罹患しやすくなります。
~顔の歪みの原因になる~
顔面の形は様々な筋肉で形成されています。
片側の歯が抜けてしまうと、いつももう片方の歯だけで噛んでしまいます。
顔の筋肉も咬む方だけがいつも使われる、左右の顔が歪んできてしまう事がなどがあります。
~歯ぎしり(ブラキシズム)、食いしばり(クレンチング)が強く起こる~
かみ合わせや顔面周囲の筋肉のバランスが崩れてくると、体は歯ぎしりで歯を削って自分で本来のかみ合わせを整えようとします。
そうする事により、歯ぎしりや食いしばりが強くなり、顎の関節などにも影響を与えてしまう事があります。
~体幹バランスの悪化~
口の周囲筋肉群は、首、肩、頭の筋肉にもつながっているものがあります。
この左右の筋肉のバランスが崩れると体のバランスに影響を及ぼす事が多々あります。
~部分入れ歯とその種類~
①基本的な保険の入れ歯
②見た目が気になる方にはスマイルデンチャー
金属のフックの見た目が気になる方にお勧めの入れ歯です。
金属のフックの部分を歯や歯茎の色と同じプラスチックで作製します。
自費診療となり大きさ、形にもよりますが8万円~40万円程度です。
噛む力は歯に比べて20%~30%で、硬いものや粘着性の物は噛むと入れ歯が動揺しやすいのは保険内のものと同等です。
様々な理由で入れ歯ではなくインプラントをしたいけれどもまだ出来ないという方におすすめです。
③咬合力が強くプラスチックの入れ歯(保険内の入れ歯)だと壊れやすい、入れ歯をもう少し強固にしたい方に金属床
入れ歯がよく割れてしまう、壊れてしまう方にお勧めの入れ歯です。
入れ歯の歯茎にあたるピンクの部分と歯にかけるフックの部分を一体化させ、強度を増し、そして金属を使用することにより薄くした入れ歯です。
これは保険が効かず、自費診療となります。
おおよそ、25万円~45万円程度で、壊れにくく、歯にしっかりフィットする為、食事の時に保険内のものよりも取れにくくなります。
~入れ歯を使いたくない、どうしても使えない方々にはインプラント治療~
入れ歯はどうしても使えない、合わない、残っている歯を大切にしたい、そんな方々にお勧めです。
インプラント治療とは、歯の無くなったところに人工歯根(インプラント)を入れて、歯と同じように噛めるようにする方法です。
自費診療となり1本、約40万円程度です。噛む力は何も治療されていない歯と比べ90%程度まで回復します。
ただ、歯と同様に汚れが溜まると歯周病になってしまいます。定期的なメンテナンスが必要です。
詳しくは以前にblogに書かせていただいた「インプラントとはどんなもの?」を参考にしてください。
~スマイルデンチャーを選ぶ事によるメリット~
①金属を使用しないため、見た目入れ歯だと気づかれにくい
スマイルデンチャーにはフックは歯や歯茎の色に合わせて作ります。
大きな口で笑っても入れ歯が入っていることには気づかれません。
歯茎の色に合わせたフック自体も歯の根元に添わせるために段差もほとんど目立ちません。
より審美感を気にされる方々にメリットがあるでしょう。
②透明感があり歯茎に違和感がない
スマイルデンチャーのプラスチックは透明感があり、柔らかくしなる素材です。そのため歯茎に色が馴染み口元が綺麗に見えます。
③入れ歯を薄くできるため舌感が悪くなりにくい
上記したとおり、スマイルデンチャーは保険の入れ歯に比べ強度、柔軟性がある素材のため、薄く作ることができます。
そのため違和感が少なく保険内の入れ歯と比べ舌感が良く、使いやすい入れ歯となります。
~入れ歯の作製方法~
部分入れ歯は自分の歯にひっかけるための針金、フック、人工の歯、人工の歯ぐきで構成されています。
大きさは1本だけのものもあれば、総入れ歯に近いものまで様々あり、形も人によって違います。通院には約3~5回かかります。
【作製工程一回目】
※歯を少し削る
歯にかけるばねの通り道を作るために、歯を少し削ります。切削量は少ないため、麻酔は必要ありません。
※歯型を取る
歯がなくなった欠損部分の歯型と、それにかみ合う反対側の歯の歯型を取ります。
※噛み合わせをとる
患者様がどこで噛んでいるかを確認するためにかみ合わせを取ります。低くなってしまったかみ合わせ、ズレてしまったかみ合わせ等もここで確認します。
【作製工程二回目】
※人工歯を並べてみる
歯並びや歯ぐきの位置を確認します。ここで調整をして、人工歯、入れ歯の適合をお口の中で合わせます。
【作製工程三回目】
※部分入れ歯を付ける
しあがった入れ歯の形を口の中の状態と合わせながら最終調整していきます。
噛み合わせ、入れ歯を噛んだ時に歯茎にあたる部分に痛むところがないか確認していきます。入れ歯を使う方にはこの時取り外しの練習やお手入れの方法の説明をします。
【作製工程四回目】
※調整
新しい入れ歯は使いはじめて、当たるところ、痛いところを削り調整します。
人によってすぐに馴染む方もいれば、なかなか馴染むまで時間がかかる方もいらっしゃいます。そのため、入れ歯を入れてからも何回か調整に来ていただく必要があります。
~まとめ~
今回は大まかに入れ歯についての基礎的な部分をご説明させていただきました。もちろん入れ歯だけでなく、他の治療にも様々な選択肢があります。
そんな中で信頼できる歯医者さんと一緒に考え、相談していきながら、一番いい治療法を選択していただきたいと思います。
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